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JICA海外協力隊の経験を地域へ生かす:合志市議会議員、カフェ「Jicca(ジッカ)」取締役 中元緑さん

【新入職員 国内OJT熊本出張インタビュー(2)】

2024年度JICA新入職員 国際緊急援助隊事務局の山﨑有紗です。JICAの新入職員はセンターで国内OJTを経験します。今年は私を含め4名が6月下旬の2週間、九州センターでお世話になりました。

盛りだくさんの2週間ですが、私からは熊本県合志市議会議員の中元緑さんをご紹介させていただきます。

私たちはお話を伺うため、6月26日(水)に中元さんが取締役をされている合志市のカフェ「Jicca(ジッカ)」を訪れました。「子育て世代の心の拠り所を作りたい」という想いから3人のお母さんが立ち上げたカフェです。お昼の時間には子ども連れのお母さんが続々と訪れ、子どもたちはおもちゃで遊び、お母さんたちはゆったりとした時間を過ごされているのがとても印象的でした。

「ただいま」と言いたくなる実家のようなカフェ、ミッフィーちゃんがお出迎え

中元さんは、JICA青年海外協力隊でルワンダに派遣され農村開発に従事された後、合志市役所に入庁、現在は、二人のお子さんを育てながら合志市議会議員とJiccaの取締役をされています。市議会議員として「合志市で子育てをしてよかったと思えるように!」と産後ケア事業等子育て世代向けの政策を重視されており、事業を通して、子育て世代から意見を拾い政策に反映できるのは官・民の両方に取り組んでいるからこそのメリットだと言います。

メインと小鉢が選べて、ご飯・お味噌汁・飲み物はおかわり自由。子どもの気分に合わせて食べられるように、また、お母さん、お父さんも温かいご飯が食べられるようにビュッフェ形式で用意しているとのことです。

JICA青年海外協力隊でのルワンダ派遣の経験は、地域の人の話を聞いて、地域の人たちと人間関係を築いて、地域に貢献するという形で市役所での勤務や市議会議員としての仕事に生きているとのことです。「ルワンダでガンガン『話を聞かせてください!』と地域の人に声をかけていた、帰ってから合志市でも地域の人に同じように声をかけていて、Jiccaの仲間に驚かれたことがある」とエピソードを共有してくださいました。

また、今年2月には熊本県海外協力協会(JICAボランティアOV会)が主催で在住外国人のための救急セミナーを開催されました。市内または、周辺市町村含めて、多くの半導体企業が誘致されるに伴い、関連企業に勤務する外国籍住民が県北地域を中心に増加している一方で、課題に上がっているのは、外国籍の方には住所の読み方や場所を正確に伝えることが難しいことが多く、かつ救急コールの三者通話システムは地域外に繋ぐことから地名が伝わらないことがあるそうです。日本語が得意でない方も適切な緊急対応と緊急コールができるようにと講習を開催されたとのことです。

様々な取り組みをされていてとてもお忙しそうな中元さんですが、仕事でも子どもと一緒に参加して良いイベントや講演会は、可能な限り一緒に参加し、17時以降は子どもとの時間、とお子さんとの時間を大切にされている姿が印象的でした。議員さんと聞くと驚くような優しい雰囲気をまとわれており、お仕事も子育ても楽しまれている中元さんの姿にこういう素敵な生き方をしたい!とインスパイアされたインタビューとなりました。

【新入職員の感想】

・中元さんが青年海外協力隊の活動を通じてご経験された、人との繋がりの大切さ、アグレッシブさが、地域での経営や市議会議員の活動に活かされていて、協力隊のOVの方の活躍にJICA職員として誇らしい気持ちになりました。中元さんの姿勢に学び、自分も多くの方と交流を広げチャレンジし続けたいと思います。(磯野:企画部 総合企画課 )

・課題だと感じることに向き合い、ご自身のキャリアを開拓していく姿勢に感銘を受けました。中元さんが、公と民の両方の分野に取り組む中で、難しい面ではなく、できることに着目して前向きに活動されている点が印象的で、私も柔軟に前向きに取り組んでいたいと勇気をいただきました。(岸野:人間開発部 保健第一グループ 保健第一チーム )

・中元さんのお話を伺い、何かを成すには自分からガツガツいくことが重要であると強く再認識しました。JICA職員として、課題解決に向き合う者として、欠いてはいけない姿勢であるはずです。(長谷川:青年海外協力隊事務局 参加促進課 )

中元さん(中央)と2024年度JICA新入職員