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日本で学び、世界の現場へ 〜世界を支える、JICAナショナルスタッフ No.1〜

こんにちは。
JICA九州 研修業務課でインターンをしている満尾泰樹です。

これまで本シリーズでは、日本で学ぶ研修員をご紹介してきました。今回は少し視点を変え、JICAの海外拠点で活躍する「ナショナルスタッフ(NS)」にお話を伺います。

JICAは世界各地に在外事務所を設けており、現地では「ナショナルスタッフ(NS)」と呼ばれる現地出身の職員が、日本人職員と協力しながら、各国の開発課題に応じた事業の企画・運営や関係機関との調整など、JICAの国際協力を支える重要な役割を担っています。

NSも、日本の制度や技術への理解を深めるため、日本国内で研修を行います。

今回は、JICA九州で研修を行った、JICAマラウイ事務所のNSであるKondwani NSANDU(コンドワニ)さんに、日本での学びや印象、そして母国への思いについてお伺いしました。

Q. あなたの出身地はどんなところ

出身地はマラウイ共和国の首都リロングウェです。
リロングウェには約134万人が暮らしています。

Q. あなたの出身地の有名なものを教えてください。

「チャンボ」と呼ばれる地元のティラピアや、トウモロコシ粉を主原料とする主食「シマ」で有名です。

チャンボ

Q. これまでのキャリアと、JICAで働くようになったきっかけを教えてください。

私は修士号を取得した後、2017年からJICAで働いています。JICAに入る以前は、マラウイ政府で勤務し、政府の立場からさまざまな開発パートナーと協力しながら、国の開発に関わる仕事をしていました。政府の立場から開発パートナーと一緒に仕事をする中で、開発パートナーが持つ専門的な知識や経験、さまざまな国での取り組みを学ぶ機会があり、それらがマラウイの発展を支える上で大きな役割を果たしていることを実感しました。

また、政府だけで国の開発を進めていくのではなく、政府と開発パートナーがそれぞれの強みを生かしながら協力することが、持続的な開発につながるのだと感じるようになりました。そうした経験を重ねる中で、次第に「今度は自分が開発パートナーの立場から、マラウイの国づくりに関わってみたい」と考えるようになりました。
これまで政府側から見ていた開発を、今度は開発パートナーの立場から支えることで、より異なる視点からマラウイの発展に貢献できるのではないかと考えたことが、JICAで働く大きなきっかけとなりました。そうした思いから、2017年にJICAで働き始めました。現在はJICAの一員として、これまでとは異なる立場からマラウイの開発に携わっています。

JICAマラウイオフィスの方々
(一番左がコンドワニさん)

Q. 日本でどのような研修を受けましたか。

日本では、ナショナルスタッフを対象としたオン・ザ・ジョブ・トレーニング(NS OJT)プログラムに参加しました。研修では、まずJICAの使命や具体的な業務内容、そして今後の戦略的な方向性について学ぶ講義を受けました。また、講義だけではなく、さまざまな施設や関係機関を実際に訪問し、日本における開発や公共サービスの取り組みについて現場で学ぶ機会もありました。

その中でも、特に重点的に学んだのが、地域における水資源管理です。研修では、水資源を適切に管理し、将来にわたって安全で安定した水を利用できる環境をつくるために、どのような取り組みが行われているのかについて理解を深めました。
また、今回の研修を通して、水資源の問題は水分野だけで解決できるものではないということも学びました。安全な水を確保するためには、保健、教育、環境など、さまざまな分野がそれぞれの立場から連携して取り組むことが重要です。日本で実際の取り組みや関係機関の連携について学んだことで、水資源管理をより広い視点から考えることができるようになりました。

今回の研修では、講義を通して知識を得るだけでなく、実際に施設や機関を訪問して現場を見ることで、日本における水資源管理や公共サービスの取り組みを具体的に理解することができました。

フジクリーン飯塚工場視察

Q. 日本での研修で学んだことを、マラウイでの仕事にどのように活かしていく予定ですか。

私は、マラウイのリロングウェ市において、福岡方式※¹を推進していきたいと考えています。

長期的には、今回の研修で学んだ福岡方式に関する知識や経験を、マラウイでの廃棄物管理の改善につなげていきたいと考えています。まずは、リロングウェ市において福岡方式を紹介し、その考え方や技術を取り入れるための取り組みを進めていきたいです。そして将来的には、マラウイの廃棄物管理の現状や課題に合わせながら、福岡方式を実際に導入・実施していくために、関係機関との調整や技術面での支援にも取り組んでいきたいと考えています。今回の研修で得た知識を一時的な学びで終わらせるのではなく、マラウイの廃棄物管理の改善に具体的につなげていくことが、今後の目標です。

マラウイ共和国にあるJICAの協力によって建てられた橋

Q. 研修前と比べて、考え方や仕事への取り組み方など、研修後に何か変化したことはありますか。

研修前は、JICAの研修センターはマラウイから遠く離れているため、研修に参加する機会があっても、日本の研修センターと日常的に連絡を取ったり、直接交流したりすることは難しいのではないかと思っていました。しかし、今回の研修を通して、実際には日本とマラウイの関係者が直接つながり、必要な情報を共有しながら、政府関係者の日本での研修参加をスムーズに進めることができると分かりました。特に、研修に関する手続きや調整を適切に行うことで、決められた期限に沿ってスムーズに準備を進められることを実感しました。

また、研修を通して、JICA九州との距離が以前よりもずっと近く感じられるようになったことも大きな変化です。例えば、マラウイで研修に関する確認や迅速な支援が必要になった場合、これまではマラウイにいる日本人職員を通して連絡する必要があると考えていました。

しかし、現在では、必要に応じてJICA九州に直接連絡し、相談や支援を受けることができると分かりました。この経験によって、日本のJICA研修センターをより身近な存在として感じるようになり、今後はマラウイとJICA九州の間で、より円滑なコミュニケーションや連携を図っていきたいと考えています。

Q. 日本に来て思ったこと、感じたこと

日本に来て最初に感じたのは、街がとても清潔に保たれていることでした。道路や公共の場所にごみがほとんどなく、たくさんの人が利用する場所でもきれいな状態が保たれていることがとても印象的でした。

また、地下鉄や電車などの公共交通機関が非常に発達していることにも驚きました。特に印象に残ったのは、電車がほとんど遅れることなく、決められた時間どおりに運行していることです。多くの人が利用する交通機関が正確に運行されていることからも、日本では時間を守ることや、社会全体でルールを大切にすることが重視されていると感じました。

そして、日本での滞在を通して、食文化も大きな魅力の一つだと感じました。温かい料理だけでなく、冷たい料理もとてもおいしく、さまざまな種類の料理を楽しむことができました。
食材の味を活かした料理や、料理の見た目にもこだわっている点など、日本ならではな食文化にも触れることができ、とても印象に残っています。

日本で実際に生活し、街の環境や交通、食文化などを体験したことで、これまで外から見ていた日本とは違った一面を知ることができました。今回の滞在を通して、日本の社会や文化についてより深く理解することができたと思います。

コンドワニさん

用語説明
※¹ 福岡方式
福岡大学と福岡市の協力で実用化された廃棄物最終処分場の技術

興味を持ってくれた方はぜひJICA九州HPをのぞきに来てくださいね!