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JICA九州 2026年度インターン徒然日記(3)

~教師海外研修事後インタビュー~大村市立萱瀬中学校 林田悠先生

こんにちは!
JICA九州センターでインターンをしている伊藤です。
8月9日(日)から19日(水)まで、キルギス共和国で教師海外研修が行われました。
今回は、現地での研修を終えた先生方に、研修へ応募したきっかけや現地で印象に残った出来事、研修を通して感じたことなどについてインタビューしました!


▽ 今回インタビューさせていただいたのは?
大村市立萱瀬中学校  林田 悠 先生


1.教師海外研修に応募したきっかけを教えてください。

 中学校社会科教員として5年目を迎える中で、「もっと世界を自分の目で見たい。実際に感じたことを子どもたちに本物として届けたい」という思いが強くなっていました。

 教科書の写真や文章だけでは、社会科という強化教科で勉強する内容や国際社会の課題の“重さ”や“リアル”は伝わりきらないと感じていました。
だからこそ、「百聞は一見(験)に如かず」を胸旨に、教科書に載る地域を自分の足で歩き、五感で得た実感を授業に持ち帰りたいと思いました。
中学校社会科の授業内容は、世界についての一般的な知識を学ぶことから始まり、世界の国際的な課題について探求することで終わります。

これまでの授業では、どうしてもその最後の単元が表面的な説明にとどまり、子どもたちに深い学びを届けられていないという悔しさがありました。
自分自身を変えたい、授業を変えたい、子どもたちの世界の見え方を変えたい。その思いが、この研修に応募した一番の理由です。

 今回の経験で得た学びを、これからの授業で必ず子どもたちに還元していきたいと強く感じています。


2.キルギスで最も印象に残った出来事を教えてください。

 キルギスに到着してすぐに感じたのは、街の景観や人々の温かさに接して、どこか日本と似た親近感でしたを感じました。特に、日本車の多さや「ラフマット(ありがとう)」と返返事してくれる柔らかな笑顔に、両国のつながりを強く実感しました。

 私が最も心を揺さぶられたのは、キルギスの人々から伝わってくる「自分たちの国を自分たちの手で創っていく」という強い意志でした。
途上国という言葉だけでを聞くと負のイメージを抱きがちですが、実際に出会った人々は、国づくりや教育への情熱に満ちており、その姿はまるで歴史教科書に登場する日本の偉人たちを、現代のキルギスを通して見ているような感覚でした。

 キルギスで出会った人々の温かさ、国を思う強い意志、そのすべてが私の価値観を揺さぶり、忘れられない経験となりました。

撮影場所:オシュバザール
キルギス料理に欠かせないありとあらゆる香辛料が売られていました!鼻が弱い自分は、バザールの空間に入っただけでくしゃみが止まりませんでした(笑い)

撮影場所:ビシュケク市内
トヨタのNOAHを街中で発見!どうやら、日本からそのまま流れてきたのか、よく見ると「低排出ガス車」の青いシールが…


3.研修前に抱いていたキルギスへのイメージと、実際に訪問した後で変わったことはありますか?

 研修前、私はキルギスに対して「日本とどこか似ている国」という漠然としたイメージを持っていました。しかし、実際に訪れてみると、親しみやすさの奥に、想像以上に複雑で深い現実が広がっていることを知りました。

 特に強く印象に残ったのは、気候変動の影響です。日本では渇水や豪雨災害が問題となっていますが、キルギスでもイシク・クル湖の水位低下や氷河の減少が深刻化し、水資源をめぐる国際問題に発展していると聞きました。世界のどこにいても、同じ危機の中にいるのだと実感しました。

 また、女性の地位をめぐる課題にも触れました。伝統や慣習を尊重しながらも、現代の価値観に照らして問題意識を持つ人々が増えており、社会が変わろうとしている姿を感じました。これらの課題は単なる「他国の問題」ではなく、背景を理解したうえで向き合うべきテーマであり、社会科の授業で子どもたちと一緒に考えていきたいと強く思いました。

 訪問前のイメージは、現地での経験によって大きく塗り替えられました。キルギスは、日本と似ているだけではなく、世界共通の課題に真正面から向き合う力強い国でした。今回の学びを通して、国際社会を「遠い世界」ではなく、私たち自身の問題として捉える視点を持つようになりました。

撮影場所:ビシュケク市内コンビニエンスストア
入り口を入ってすぐにあったスイーツコーナー。甘いものが好きな自分にとっては、かなりテンションが上がった出会いの1つです。この規模と品ぞろえの良さの理由を聞いてみると、「もてなし文化があるキルギスにとっては、もてなされる側もそれ相応のお返しを持っていくのもルール!なので、急な訪問に対応できるように」とのことで、文化的背景が見える一枚です。


4.キルギスで撮影した写真の中で、一番のお気に入りを教えてください。

この写真を選んだ理由:
 ジャラトゥルシュ(キルギス語で「大自然」)を象徴する一枚です!ボズィ(遊牧民の移動式住居)に宿泊した日の朝は早く、4時くらいから朝日が射していましたが、それと同時に馬がどこからともなくやってきて、その時に撮った写真です。キルギスの方々が自慢に思われるこの自然をずっと守りたい!そして、日本の子どもたちにも直接見てほしい!と思ったのが選定理由です。


5.今回の経験を通して、児童・生徒に最も伝えたいことは何ですか?

 今回の研修を通して子どもたちに最も伝えたいのは、「世界は思っているよりずっと近く、そして自分の行動で変えられる」ということです。
 キルギスで出会った人々は、自分たちの国をより良くするために、目の前の課題に真剣に向き合っていました。その姿は、国や環境が違っても、未来をつくるのは“今を生きる私たち”であるということを強く教えてくれました。
 また、世界には日本と同じように気候変動や社会の価値観の変化など、共通の課題がたくさんあります。それらを「遠い国の話」としてではなく、自分の生活とつながる問題として考えることが大切だと感じました。今回の経験を通して得た学びを授業で伝え、子どもたちが世界を自分ごととして捉えられるような社会科の授業をつくっていきたいです。


6.教師海外研修への参加を考えている先生方へメッセージをお願いします。

 参加(応募)に当たって、不安に思われていることも多いかもしれませんが、迷うなら、参加して後悔したらいい!その気持ちで、ぜひ参加(応募)されることをお勧めします。
 一生心に残る経験・思い出ができます!自分が変わる瞬間に立ち会えます!!たくさんの人々(JICA関係者の皆様、他県の先生方、研修のファシリテート等を担ったNPO法人NIED・国際理解教育センターの皆様、現地で活躍されている方々)と出会え、県や国を超えたつながりができます!!!
 そして、なにより今回学んだことで、また一つ子どもへの向き合い方、かかわり方が前進できたと思っています!結果的に、参加して後悔することは何一つありませんでした!参加しないほうが後悔します!


インタビューを終えて

林田先生、インタビューにご協力いただき、ありがとうございました!
今回お話を伺い、まずは一歩踏み出して挑戦してみることが、新しい出会いや気づきにつながるのだと感じました。
特に、「世界は思っているよりずっと近く、そして自分の行動で変えられる」というお言葉が印象に残っています。私自身、世界を変えると聞くと少し難しく考えてしまいますが、身近なことから行動してみることも、その一歩になるのだと気づかされました。
先生がキルギスで得られた経験や学びが、これから授業を通して児童・生徒の皆さんにどのように伝えられていくのか、とても楽しみです。


教師海外研修について、詳しくは以下のリンクをご覧ください。

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