冬の高校生国際協力体験プログラム「今こそアフリカ!」を実施しました!
2025.01.28
カードを見ながら動くとアフリカの多様性がわかります
1月7日、JICA北海道(札幌)センターに、国際協力やアフリカに興味を持つ13名の高校生が集まりました。今回の国際協力体験プログラムのテーマは「今こそアフリカ!~アフリカのあんなことやこんなことを知って考える高校生の集い~」です。
最初のプログラムは一人ひとりに配られた「秘密のカード」を使ってアフリカを知ることです。それぞれのカードに書かれている言葉で挨拶をしながら同じ挨拶の仲間を探すアクティビティからスタート。しかし、時間が経ってもなかなか仲間が見つからず、ほとんどが独りぼっちという結果に。それもそのはず、アフリカにはたくさんの民族が暮していて、ひとつの国に数十の民族・言葉がある国もあるのです。反対に、同じ言葉を話していても、住んでいる国が違うことも。他民族・多言語の地域だということが体感できました。
巻き方も様々。フランシス姉妹が着付けてくれました。
次のプログラムでは、マラウイ出身のフランシスさん姉妹がゲストとして登場。アフリカでよく使われている「布」の意味や巻き方をレクチャーしてもらいました。「格言」が書かれているものがあったり、日常生活でよく使うモチーフが描かれていたりと、実は地域によって特徴があります。ここでもアフリカの多様性に触れられるとともに、フランシスさんたちとコミュニケーションをとりながらアフリカンスタイルのドレスアップを体験できました。
参加者が布を巻いたまま次に聞いたのは、最先端技術の話です。主にケニアで普及している「M-pesa」という携帯電話を使った決済・送金サービスについて学びました。ケニアの大学生が開発したこのシステムは、自分の携帯電話から他者の携帯電話に電子マネーを送金できるというもの。さらに現金の預け入れや引き出しもできる優れものです。
参加者からも「チャージしても、日本では基本的に現金に戻せない。こちらの方が便利だと思う。」という感想が出されました。アフリカでは、先進技術が一足飛びに社会に浸透するということも分かりました。
主食だけでもたくさんの種類があり、画面に収まりきらないほど…
午前最後のトピックは「食」。アフリカは主食が米、トウモロコシ、イモ類、バナナなど多岐にわたることや、同じような調理法でも地域によって呼ばれ方が違うことなど、食の世界も多様性に富んでいました。みんなお腹がすいてきたところで、ウガンダ給食体験タイムです。JICAレストラン「地球こうさてん」で、ポショと呼ばれるウガンダの主食を豆のソースと一緒にいただきました。フランシスさん姉妹も「ポショの食感がシマ(マラウイの主食)とそっくり!」と大満足。参加者にとっても、フランシスさん姉妹を囲んでウガンダ料理を食べた時間は楽しい交流時間となったようです。
各グループで自分たちのアイディアを発表しました
午後はカメルーンでJICA海外協力隊として活動してきた小島由紀子さんをお迎えして、ワークショップを行いました。小島さんが実際に活動していた幼稚園の動画を見せてもらい、どんなところに課題があるのかグループで話しあいます。「遊具がない」「1クラスの人数が多すぎじゃない?」参加者たちは自分の考えた課題を付箋に書いていき、その課題解決のために行う「支援」を考えます。途中で小島さんから「誰のための支援かもう一度考えましょう」「私たちは2年間しか現地にいることができない協力隊員です」という声掛けがありました。そこから「現地の人たちの声」を聞く大切さや、協力隊員がいなくなった後のことも考え出し、最後の参加者による発表では「身近にあるもので教材の作り方を教える」「たくさんの子ども達が集中して話を聞いてくれるようなコーチング技術を先生たちに教える」などのアイディアが出されました。
濃厚な時間を過ごした参加者たち
最後に、今年横浜で開催となるTICAD9(第9回アフリカ開発会議)についてまとめ、国と国同士の支援・協力であっても「相手のオーナーシップ」と「パートナーシップ」を大切にしていることを学びました。
長時間の開催でしたが、参加者たちは最後まで手と頭を休めず、アフリカについてたくさんのことを吸収していたようです。いつかアフリカに行ってみたいと話してくれた高校生もいました。皆さん、お疲れ様でした!
今回の参加した高校生たちがまとめたTICAD9についてのポスターは、JICA北海道(札幌)の「ほっかいどう地球ひろば」にて展示予定です。展示が開始される時期は改めてホームページでお知らせしますので、楽しみにお待ちくださいね!
■関連リンク:JICA-TICAD
scroll