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北海道札幌聾学校へ授業モニタリングに行ってきました!

2025.05.21

2024年度教師海外研修(ザンビア)授業実践【北海道札幌聾学校】

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校と特別支援学校の先生が、JICAが支援する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での授業実践を行う研修です。

2024年度はJICA東北との合同実施でザンビアにて現地研修を行いました。今回は北海道札幌聾学校で行われた授業の様子をお届けします。

2024年11月18日(月)北海道札幌聾学校にて、ザンビアを題材とした授業が行われました。松村先生は小学部5・6年生の担任で、クラスには8名の児童が在籍しています。当日は1名お休みだったため、授業に参加したのは児童7名と補助の先生2名の参加でした。ザンビアの授業は生活単元として2時間で組み立てられ、そのうちの2時間目をモニタリングしてきました。本時のねらいは「2枚の写真からザンビアと日本の同じや違いに考え、発表できる」です。さて、どのように授業が展開されていくのでしょうか。

ザンビアを手話で復習

算数の教科書で日本とザンビアを比べていました。(左が日本)

事前に1時間「ザンビアについて知る」という授業を受けているため、児童はザンビアについてすでに親しみをもっている様子がうかがえました。「ザンビア」を手話で復習した後、早速クイズ「どっちが日本?ザンビア?」がスタート。スライドに映った2枚の写真を見て、児童は一生懸命答えを考えます。日本とザンビアのカラスやお菓子売り場、コンセントや学校などを比べて「こっちが日本だよ!こっちがザンビアだよ!」と少し興奮気味に伝えたいことを全身で表現しながら夢中になって授業に参加していました。

「大切なのは、分かり合おうとする気持ち」授業実践までの過程

児童から人気のザンビアシール

聴覚障がいを持つ児童はそれぞれ状況が違っているため、一人一人に合わせた対応が必要です。松村先生が授業を作る過程で、一人一人の児童の顔を思い浮かべながら「これならきっとあの子が答えてくれるはず」や「この問題ならちょっと考えると答えを自分で導き出せるはず」と思いを込めて作ったのがわかる授業内容でした。児童がクイズに正解するとザンビアの国旗シールがもらえるというのも「達成感」を味わうことができるいい仕掛けでした。

異文化交流プログラムの様子

実はこの授業が行われる1年以上前、JICA北海道異文化交流プログラムに参加した本校にて、児童と在日アフリカ人の方々が交流するという場が設けられていました。児童たちはこの日を楽しみにしていたようで、当日もアフリカの方々とコミュニケーションを取ろうと、懸命に伝えたいことを身振り手振りで表現していました。アフリカの方々も児童が伝えたいことを読み取ろうと、やり取りをしているうちに、お互いに気持ちが伝わり分かり合えることができたという経験がこの学校にはあります。この時は、ご自身がアフリカのザンビアに行くことは想像もしていなかった松村先生ですが、こうして異文化を受け入れる準備が先生・児童共に少しずつできていました。今回、自分の目でアフリカを見て感じたことを授業にして、それを実践するという更に一歩進んだ開発教育/国際理解教育の道を歩んでいる松村先生と児童の皆さんを見ることができた貴重な機会でした。

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