札幌市立元町中学校の授業モニタリングに行ってきました!
2025.10.06
穏やかながらも熱のある山田先生の授業の始まり
教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校と特別支援学校の先生が、JICAが支援する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での授業実践を行う研修です。
2025年度はモンゴルで現地研修を行いました。授業実践モニタリングリポート初回は札幌市立元町中学校で行われた山田先生の授業風景をお届けします。
現地の人の要望を確認し、何ができるかを模索中
2025年9月26日(金)、札幌市立元町中学校にて山田先生の授業が始まりました。傍らには学校内でサポートされてきた先生も授業を見守っています。
テーマは「合意形成に向けて話し合おう~モンゴルの社会課題解決のために会議を開く」この授業は、事前にモンゴルの歴史や文化、現代の社会課題について学んだうえで、生徒たちが「モンゴルの政府関係者」という立場になり、現地から寄せられた要望に対して実現可能な選択とその理由を考えるグループワークです。
扱った現地の方(モンゴル)の要望は次の4つ
・インフラ整備
・農業の拡充
・病院の充実
・規則や規範の順守
授業の中で山田先生は「選択した課題を解決するメリットだけを見るのではなく、デメリットも見つめたうえで、それでもなぜその政策を選ぶのかを考えて欲しい」と伝えていました。生徒たちもその言葉を聞いて、それぞれの要望の背景や影響、優先順位などを多角的に考えながら議論を重ねていました。
各グループ発表の様子
授業終盤にはグループで議論した結果を発表。発表者の意見に真剣に耳を傾け、自分の考えと照らし合わせながら最適解を探ろうとする時間。
「地元に病院を建設すれば健康管理がしやすくなる。一方で建設コストがかかる、大きい病院になると人手が不足する、医師が足りていない」というメリットとデメリットがある。しかし「国民全体が病院に行きやすくなることで病気にかからず生活が豊かになる。雇用が生まれる。医師を目指す人が増える。」など様々な意見や考えがそこには生まれていました。
授業テーマの「合意形成」に向けて必要な視点を、生徒自身の体験として刻むものとなっており、授業を通して、他国の課題を“自分ごと”として捉え、多様な視点で考えることができる授業でした。
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