jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【草の根技術協力事業】日本の技術がジョージアの道路トンネルの安全を守る「道路トンネル管理の高度化推進プロジェクト」

2026.03.03

一般社団法人北海道開発技術センターが実施してきた、草の根技術協力事業(2023月10月~2026年2月)が、この度無事に終了しました。
本事業は、ジョージアの人々の暮らしを支えるため、道路トンネルの管理体制を整備するという取組でした。ジョージア地域開発インフラ省道路部と、同じ目的に向かって試行錯誤を重ねてきた約2年半の事業成果は、同省内で広く共有され、今後のトンネル維持管理の“礎(いしずえ)”として活かされていくことが期待されています。

ジョージアってどんなところ?

首都トビリシの街並み

ジョージアは、ユーラシア大陸の、中央アジアとヨーロッパ、中東地域を結ぶ要衝に位置し、西は黒海、西および南はトルコ、南はアルメニア、東はアゼルバイジャン、北はロシアと国境を接しています。
そのためジョージアは、貿易の振興と国際物流の中継地としての役割を強化し、自国の社会・経済の発展を目指し、その施策として国土の東西及び南北を貫く幹線道路の整備を進めています。しかし、橋梁やトンネルといった道路構造物の維持管理は、これまで体系的に行われてきませんでした。そこで、人々の安全な移動及び安定的な発展を図るため、日本とジョージアが協力して実施する「トンネル管理高度化プロジェクト」が提案・実施されました。

現地とともにつくるジョージア版トンネル台帳・トンネル点検ガイドライン

ゴリトンネル視察

プロジェクトの大きな成果のひとつが、トンネルの基本情報をまとめる「トンネル台帳」の整備です。日本の台帳を参考に、10本のトンネルを対象に、ジョージア地域開発インフラ省道路部と協働で、ジョージア版のトンネル台帳を作成しました。図面に不足があった項目も、ジョージア側が資料や情報の収集を積極的に進め、自ら内容を補完して完成させました。今後は、ジョージア側関係者が、この10本分のトンネル台帳をモデルに、全国版のトンネル台帳を作成する見込みです。

トンネル補修現場の視察(札幌市)

台帳整備の次に取り組んだのが、ジョージア版の「トンネル点検ガイドライン」づくりです。日本の点検要綱をもとに概要版を作成し、現地との議論を重ね、ジョージアに適した点検項目や方法をまとめました。現地ではトンネル点検の経験がほぼなかったため、2024年6月に札幌で、ガイドラインに沿った実地トレーニングを行いました。研修に参加した3名の道路部職員は、トンネル点検の実習や非破壊検査技術の体験、道路管理データベースの見学などを行いました。研修実施にあたっては、北海道開発局(道路管理者)からトンネル管理に関連する講義を行っていただいたほか、トンネル補修現場を案内していただきました。また、北海道内の建設コンサルタント会社、建設会社の協力を得て、トンネル支援技術(画像診断技術や非破壊検査技術等)に関する講義及び実習を行い、具体的に日本のトンネル管理技術について理解を深めることができました。とくに画像診断技術や、誰が使っても同じ結果が得られる非破壊検査技術には高い関心が寄せられ、ジョージアでの活用についても具体的に検討が始まりました。

点検の“基本技術”の習得と未来の“デジタル化”へのステップ

地域開発インフラ省道路部への成果報告

トンネル管理を高度化するには、「点検→診断→措置→記録」というサイクルを繰り返し、維持管理を積み重ねることが欠かせません。本プロジェクトでは、この考え方をもとに、将来デジタル技術や新技術を取り入れるための「トンネル管理高度化計画」を策定しました。当初、現地幹部はデジタル技術だけに関心を示していましたが、議論を重ねる中で、「まず基本技術を身につけてこそ、新技術を活かせる」という理解が広がりました。 また、将来トンネル点検を担う新組織の設立も検討されており、日本からの技術支援を受けながら、デジタル化された点検体制を整備していきたいとの意向も示されています。

事業メンバーたちとの会食

この取り組みは、ジョージアの道路インフラを持続的に守る第一歩です。日本の技術や経験を活かしながら、現地とともに築いた仕組みが、今後の安全で安心なインフラづくりにつながることを期待しています。

◆関連リンク
一般社団法人北海道開発技術センター

\SNSでシェア!/

  • X (Twitter)
  • linkedIn
一覧ページへ