2025年度JICA北海道教師海外研修 帰国後研修・成果報告会が終了しました。
2026.03.11
JICA北海道は、毎年道内の教員の方々を、JICAの在外事務所設置国に派遣し、国際協力の現場を直接見て学んでいただく「教師海外研修」を実施しており、2025年度の海外研修先はモンゴルでした。本研修は、参加者が現地で得た知見を日本に帰国後に教材化し、各校の各教室で授業実践し、最終的に児童・生徒にその知見を還元いただく目的で実施しています。海外研修の前後には、開発教育の概論から指導案の検討まで、授業づくりに必要なノウハウを学んでいただく国内研修(計4回)を行い、半年以上かけて開発教育について取り組んでいただいています。
今回は、モンゴルでの現地研修後に行った、「帰国後研修」および「成果報告会」について、ご報告します。
2025年9月13日(土)・14日(日)に、JICA帯広センターで、帰国後研修(指導案検討会)を行いました。
指導案は、授業アイデアを形にして他者へ伝えるための、大切な設計図です。この日は、カードゲームやロールプレイ、モンゴル疑似旅行など、各参加教員がモンゴルでの現地研修の知見を活かして新たに作り出した、様々な指導案が披露されました。それらの指導案を元にした各授業を、モンゴルで同じ体験をした仲間同士で、実際に児童・生徒の立場になって受け、改善案を検討し、より良い指導案や授業内容に磨き上げていきました。ときには厳しい意見も飛び交いながらも、学びの多い充実した2日間となりました。
指導案の検討会から約3か月後の11月29日(土)・30日(日)に、プログラムの集大成となる成果報告会を、対面・オンラインのハイブリッド形式で開催し、約30名の皆様にご参加いただきました。教育関係者だけでなく、高校生や大学生の参加も見られ、これまで参加者のみで行ってきた国内研修とは異なる緊張感が、会場内には漂っていました。
冒頭には、利尻富士町立鴛泊小学校の藤森先生にご登壇いただき、授業作りでの試行錯誤を振り返りながら、次年度の参加者に向けたアドバイスを交えて、本研修の概要を紹介していただきました。授業づくりへの向き合い方や、児童へのアプローチ方法など、実感のこもった内容が参加者に共有されました。
続いて行ったのは、先生方が本研修を通じて作った授業を、最終報告会参加者が生徒の立場になって体験できる、「模擬授業」でした。
釧路市立鳥取小学校の本間先生が行った、「文化が消える?未来をつくるのは、私たち」を体験した参加者からは、「ゲームを通して、ひとつの文化を失うと、その影響でほかの文化も連鎖的に失われてしまうことが、とても残酷だと感じた」という声がありました。先生方が推敲や試行錯誤を重ねてきた努力が伝わる、熱意のこもった授業が展開されていました。
最後に実施した「教材紹介セッション」は、2部屋に分けて行いました。発表者の先生方は、30分という限られた時間内で授業内容を紹介し、参加者や開発教育アドバイザーからフィードバックを受けました。発表者の先生方は、教育関係者以外からの率直な感想や疑問に触れられたことも印象に残ったようで、「教材を新たな角度から見直すきっかけになった」という前向きな感想が多く出されました。
成果報告会の翌日は、教師海外研修の参加者のみで、事後研修を行いました。これまでの一連の研修を振り返る「学びの共有」では、付箋と模造紙を用い、①事前・事後研修②現地研修③授業づくりの3つに分けて、これまでの成果を内省したのち、グループ毎に話し合い、全体共有で振り返りました。
現地や帰国後に集めた多くの情報を、取捨選択して伝えることの難しさや、授業の意図に対して予想外の反応が生まれる面白さなど、この研修で得たものが多く共有されました。
研修成果を共有した後、この研修で学んだことの今後の生かし方について、各参加者が、30年後までの予定として書き出した上で、各自のキャリアや目標として発表しました。
研修を振り返って、ある先生は次のように話していました。
「今後のキャリアを考えたとき、教師海外研修の経験を生かした働き方という視点が自分の中に生まれたことは、非常に大きな成果でした。」
学校の授業や部活動と並行しながら、半年以上にわたって「開発教育の教材づくり」に真剣に向き合ってきた参加者の皆さん。そのアグレッシブな取組みや姿勢は、授業を行った児童・生徒だけでなく、周りの先生方や保護者・地域の皆さんなどにも影響しを与え、国際理解教育を広げていく力になるはずです。そして、その周りの皆さんも、いつか、日本や世界で活躍する日が来ると信じています。
教師海外研修に参加された教員の皆さん、研修への参加や授業づくり、大変お疲れさまでした。今後も児童生徒達のために、より良い取組を共に進めて参りましょう。
最後はモンゴル語で、「幸せと共にまたあなたと会いたい」という意味のこの言葉で締めくくります。バヤルタイ!
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JICAの開発教育支援事業とは(外部サイト:YouTube)