【草の根技術協力事業】ネパールの高齢者を地域で支える仕組みづくり
2026.07.21
市長を含むナモブッダ市役所職員が参加した最終報告会
草の根技術協力事業「ネパールにおける高齢化社会に向けた高齢者ケア体制強化プロジェクト」の完了報告会が、ナモブッダ市役所で開催されました。報告会では、プロジェクトで得られた成果や学び、今後の展望について関係者が共有しました。
本プロジェクトは、2024年10月から2026年5月まで、カトマンズ市とナモブッダ市で実施されたものです。名寄市社会福祉事業団と現地パートナー団体Ageing Nepalが連携し、急速に進む高齢化に対応するため、人材育成や地域に根ざしたケア体制づくりに取り組みました。
女性地域保健ボランティアへの研修
ネパールでは高齢化が進む一方で、高齢者を支える制度や人材は十分とは言えません。特に農村部や都市周辺部では若い世代の流出が進み、高齢者のみの世帯や独居高齢者が増加しています。そのため、高齢者や家族を支える地域の仕組みづくりが課題となっています。
こうした状況を踏まえ、本プロジェクトでは介護施設職員の能力向上に加え、女性地域保健ボランティア(FCHV)による地域での見守りや支援活動の強化を進めました。また、日本の介護モデルをそのまま導入するのではなく、ネパールの文化や地域の実情に合わせて取り入れることを重視しました。
女性地域保健ボランティアによる家庭訪問
報告会では、本プロジェクトにてナモブッダ市でのコミュニティ調査を通じて高齢者の生活状況や健康課題を把握でき、カトマンズ市内21か所の介護施設で働く31名を対象に介護研修を実施したこと、またその結果、11名の女性地域保健ボランティア(FCHV)への研修を行い、地域の高齢者132名への訪問活動につながったことが報告されました。
高齢者からは「訪問を楽しみにしている」「健康や栄養について相談できてうれしい」といった声が寄せられ、FCHVからも「自信がついた」「地域の高齢者の役に立てることにやりがいを感じる」との声が聞かれました。
本事業を通じて、介護従事者、FCHV、NGO、自治体関係者のつながりも生まれました。こうしたネットワークは、プロジェクト終了後も地域で高齢者を支える活動を継続していくための大切な基盤となります。ナモブッダ市では、今後の活動継続に向けた検討も進められています。
プロジェクトは終了しますが、地域で育まれた知識や経験、人と人とのつながりはこれからも生き続けます。JICAは今後も、地域の人々が主体となって取り組む活動を後押ししながら、ネパールの高齢者が安心して暮らせる社会づくりを支援していきます。