2026年度 JICA研修員学校訪問 藤女子高等学校(2026年6月)
2026.09.15
JICA研修員学校訪問は、学校現場における国際理解教育支援の一環として、地域の児童・生徒と、主に開発途上国から来日しているJICA研修員との交流の機会を提供する事業です。
本事業では、研修員との交流を通じて、児童・生徒の開発途上国や異文化への興味・関心を高めるとともに、国際理解を深め、将来的な国際協力への意識を育むことを目的としています。
ナイジェリアのザックさんと法学・経済学系を目指す生徒たち。
カザフスタンのマガさんと教育・福祉系を目指す生徒たち。
2026年6月10日に北海道大学で学んでいるバヌアツ、ナイジェリア、インド、カザフスタン、キルギス、フィリピン、インドの7名の長期研修員(※)が藤女子高校を訪問し、3年生合計93名と交流しました。生徒は希望する進路ごとに、研修員の研究内容と関連の深い分野で、人文系、法学・経済学系、教育・福祉系、社会科学系、応用工学系、医療系2グループの合計7グループに分かれました。
※JICAの長期研修員事業は、開発途上国の行政官や専門人材を1年以上日本に受け入れ、主に大学院で高度な知識・技術を学んでもらい、母国の発展を担う人材を育成する事業
バヌアツのスオニィさんがお習字で自分の名前に挑戦!
まずはアイスブレイクとして、生徒たちが自己紹介を行い、自分の名前に込められた意味を研修員に紹介しました。
続いて、生徒たちは研修員の名前を日本語の音に置き換え、それぞれの文字が持つ意味を説明しながら、半紙に丁寧に名前を書いてプレゼントしました。
思いがけない贈り物に研修員たちは大喜び。今度は自ら筆を手に取り、生徒が書いたお手本の字を熱心に見つめながら、一画一画に集中して筆を運びました。会場は真剣な空気に包まれ、研修員たちは心のこもった作品を完成させました。
バヌアツのスオニィさんと医療系を目指す生徒たち。
続いて、研修員がそれぞれ自国の現状や課題について紹介し、生徒たちと一緒に解決策を考えました。
7つのグループでは、「若者の雇用創出」(ボツアナ)、「物価高騰」(ナイジェリア)、「入試や就職における激しい競争」(インド)、「インフラ開発」(フィリピン)、「気候変動」(バヌアツ)、「地方開発」(キルギス)、「人々の感情表現の少なさ」(カザフスタン)といった課題が取り上げられました。
生徒たちは、研修員の話に真剣に耳を傾けながら、「どのような解決策が考えられるか」をグループで話し合い、自分たちの考えを英語で懸命に伝えました。言葉の壁を越えて積極的にコミュニケーションを図る姿が見られ、互いの国や文化への理解を深める貴重な機会となりました。
インドのアシュワニさんとインドの抱える社会課題について議論!
インドの抱える課題について話し合った結果を発表!
社会科学系のグループでは、インド出身のアシュワニさんから、自国が抱える社会課題についてお話を伺いました。
アシュワニさんは、「人口が多いため、大学入試や就職の際に非常に激しい競争がある」と説明しました。生徒たちからは、「起業家を育成することで新たな雇用を生み出してはどうか」など、さまざまな解決策が提案されました。
それに対し、アシュワニさんは、「大学や仕事の機会は増えた方が良いと思いますが、ある程度の競争があることで人々が努力する原動力にもなると思います」と自身の考えを紹介しました。
生徒たちは、インドの現状について理解を深めるとともに、課題に対する多様な見方や考え方に触れることができました。また、アシュワニさんの前向きな姿勢や真剣に物事へ取り組む考え方に、大きな刺激を受けている様子でした。
7か国の研修員の皆様、藤女子高の3年生の皆様、素晴らしい交流をありがとうございます!
最後に研修員のみなさんから「日本に来て驚いたこと」を教えてもらいました。
「環境がとてもきれいに保たれている」、「冬道が滑るので危険」、「人々があたたかい」といった感想が寄せられました。
生徒たちは、普段は当たり前だと感じている日本の環境や文化、暮らしの魅力を改めて見つめ直す機会となりました。また、海外からの視点を通して自分たちの地域や国について考えることで、新たな発見や学びを得ることができました。
その後、7つのグループがそれぞれ、研修員の出身国が抱える課題と、その解決策について話し合った成果を発表しました。各グループの発表を通して、生徒と研修員は互いの気づきや考えを共有し、理解を深めることができました。
交流の締めくくりには、研修員の皆さんと生徒たちがそれぞれの国旗を手に記念撮影を行いました。
研修員からは、「日本の生徒たちが一生懸命コミュニケーションを図ろうとしている姿に感銘を受けた」との感想が寄せられました。生徒たちが英語で積極的に研修員へ話しかけ、相互理解を深めようとする姿勢が随所に見られ、国や文化の違いを越えた温かな交流の時間となりました。