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2026年度教師海外研修(コスタリカ) 授業実践【旭川市立六合中学校 小熊 優美子先生】

2026.10.19

教師海外研修とは、開発教育/国際理解教育の実践と推進に意欲のある小中高校、高等専門学校、特別支援学校の先生が、JICAが支援する開発途上国に赴き、現地で得た知見を活かして教材を作り、日本国内での授業実践を行う研修です。

2026年度はコスタリカで現地研修を行いました。今回は旭川市立六合中学校で行われた小熊優美子先生の授業風景をお届けします。

生物多様性と観光の両立を考える



10月5日、旭川市立六合中学校において、小熊先生による授業が行われました。この日の授業に先立ち、児童たちはコスタリカに関するすごろくやさまざまな活動を通して、コスタリカが自然を大切にしている国であることを学んできました。今回の授業では、その学びを土台として、コスタリカに生息する希少な鳥「ケツァール」を守りながら地域を発展させるための村民会議に挑戦しました。小熊先生は教師海外研修で得た経験や現地の情報をもとに、児童が実際の地域課題に向き合えるよう授業を構成しました。

さまざまな立場から地域の未来を考える

授業では、児童たちは村長、カフェ経営者、農園主、自然保安官、ガイドなど、それぞれ異なる立場の人物になりきって話し合いに参加しました。村には100万円の予算があり、その予算をどの事業に使うかを話し合います。児童たちは自分の役割ごとに異なる願いや課題を抱えながら、「地域の発展」と「自然環境の保全」を両立させる方法を考えました。

話し合いでは、観光客の増加による経済効果を重視する意見がある一方で、開発によってケツァールの生息環境が失われる可能性を心配する意見も見られました。それぞれの立場の考えを伝えながら、児童たちは地域の未来について真剣に意見を交わしていました。

対話を通して持続可能な観光のあり方を探る

この授業の特徴は、多様な立場の人々が納得できる解決策を探る「村民会議」の活動です。児童たちは、それぞれ異なる立場から意見を出し合いながら、限られた予算をどのように使うべきかを話し合いました。一つの課題を解決しようとすると、別の立場の人が困ってしまう場面もあり、簡単には結論を出すことができません。

生徒からは「何かいいことをしたら、何か悪いことにつながっちゃう。そうならないように考えた。」という発言もありました。これは、開発課題におけるトレードオフやジレンマに気付いた大切な気づきです。

多面的な視点から持続可能な社会を考える

今回の授業では、コスタリカにおけるエコツーリズムと生物多様性保全を題材に、多様な立場の人々が対話を通して合意形成を図る難しさと重要性について考えました。生徒たちは、世界で起きている課題を遠い国の出来事としてではなく、自分たちの身近な地域にもつながる問題として捉えながら学びを深めていました。

 今後は、旭川市や東川町の観光に関する事例も取り上げながら、地域の課題へと学びを広げていく予定です。コスタリカで学んだ「環境保全」と「地域振興」の両立という視点をもとに、生徒たちは地域の課題にも目を向け、より身近な問題として持続可能な社会について考えていきます。

 小熊先生は、教師海外研修で得た現地での経験や取材内容を授業に取り入れることで、生徒が主体的に考え、意見を交わしながら学べる授業を実践しました。生徒たちにとっても、複数の価値観が存在する社会課題に向き合い、持続可能な社会の実現に向けて自分たちに何ができるのかを考える貴重な学びの機会となりました。

◆関連リンク:授業実践モニタリングリポート
◆関連リンク:教師海外研修

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