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【レポート】別子銅山地域理解プログラムから研修員が学んだこと

2025.09.09

JICA四国センターでインターンシップ活動をしている岩中真歩です。インターンシップの一環として、2025年8月20日(水)から22日(金)にかけて実施された「地域理解プログラム」に同行しました。本プログラムでは、愛媛県新居浜市の別子銅山でJICA長期研修員が地域の歴史や銅山の開発について学び、研修員が自国の発展に役立ててもらうことを目的としています。

8月21日(木)

〈別子銅山記念館の見学>
資料や写真を通じて別子銅山の歴史を学び、銅製品や採掘技術、煙害対策、植林等の環境保全に関する取り組みについて理解を深めました。

別子銅山記念館を見学する研修員

別子銅山記念館を見学する研修員


<愛媛県立新居浜南高等学校のユネスコスクールの取り組み紹介>
高校生による別子銅山に関する学習成果の発表や、ユネスコスクールの取り組み紹介が行われました。昼食には愛媛県の郷土料理を取り入れた食育プログラムが実施され、「鯛めし」など地域に根ざした料理が提供されました。

<マイントピア別子の見学>
高校生によるガイドのもと、観光坑道での模型やジオラマを通じて当時の労働環境について学びました。

高校生のガイドを聞いて観光坑道を見学する研修員

高校生のガイドを聞いて観光坑道を見学する研修員

<東平歴史資料館と東平地区の見学>
展示品や写真から、東平地区に暮らしていた人々の生活を学びました。実際に運搬されていた銅の重さを体験できる展示もあり、理解を深める貴重な機会となりました。

高校生のガイドを聞いて東平歴史資料館を見学する研修員

高校生のガイドを聞いて東平歴史資料館を見学する研修員

8月22日(金)

<愛媛県立新居浜南高等学校の生徒との交流>
研修員と高校生が銅板を使ったツル作りを通じて交流を深めました。

高校生と銅板でツルを折る研修員

高校生と銅板でツルを折る研修員

<研修員同士の意見交換会>
研修員は三日間の学びを振り返り、地域の産業と自然の共生、組織的な銅山管理、環境保全の重要性などについて意見を交わしました。「研修で一番心に残ったことは何ですか?」という高校生からの質問に対して、研修員は「新居浜市は工業都市でありながら自然と共生している点が印象的だった」「銅山のすべてを組織として管理している点や、山の植物を保全しているのがよかった」と答えました。

<市長の表敬訪問>
研修員14名が新居浜市の赤尾禎司副市長を表敬訪問し、代表者が地域理解プログラムを通じて得た学びを報告しました。「都市の発展と環境保全が両立していることを学び、自国でも歴史を尊重した発展を目指したい」という言葉がありました。

今回の地域理解プログラムを通じて、研修員は新居浜市の歴史や産業、地域の文化に触れ、持続可能な発展と環境保全の重要さについて理解を深めることができました。ある研修員からは、「自分が大学院で専攻している分野に関連する内容を学ぶことができ、有意義な時間となりました」との感想がありました。また、別子銅山のガイドを担当した高校生からは「別子銅山は歴史の長い新居浜市の文化です。新居浜市の文化に触れていただけて嬉しいです」との言葉が寄せられました。

地域の方々や高校生との交流を通じて、研修員は日本の地域社会の取り組みや文化を肌で感じることができました。今回の経験が、研修員それぞれの国における地域開発や文化理解の促進に役立つことを願っています。

関連リンク
本邦研修 | 事業について - JICA
別子銅山記念館
ユネスコ | 愛媛県立新居浜南高等学校
東平歴史資料館 – マイントピア別子

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