【岩手県】岩手県立釜石高等学校の2学年によるSSH課題研究発表会が開催されました！
#4 質の高い教育をみんなに
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
2024.03.27
2月16日（金）に釜石市民ホールTETTOにて、岩手県立釜石高等学校の2学年 計136名によるSSH課題研究発表会が開催されました。
釜石高校はスーパーサイエンススクール（SSH）に認定されており、様々な分野・学問の視点から課題を捉え、学びやアイディアを仲間と共有して地域へ新たな価値を見出す姿勢を大切に探究活動へ取り組んでいます。
1学年では、地域の資源や様々なプロジェクトに取り組むヒトを知ると共に、問いを立てる探究的な思考プロセスを学び、2学年では、各自テーマを決め、背景・目的・方法・結果・考察・発表と順序立てた思考を元に探究活動を実施します。そして、３学年で今までの成果を元に考察を深め、論文を執筆します。
JICAでは国際分野をテーマにしたグループと伴走し、主に2学年の研究をサポートしています。
「MISSION～発展途上国の衛生意識を高めよ～」
開発途上国では、衛生に関する教育を受ける機会が少ない地域があり、衛生に関する知識を与えれば意識が向上し、衛生状態が良くなることで乳児死亡率の低下に貢献できるのでは、と考えた赤石澤さんと金﨑さん。
まずは、乳児死亡率が高い西アフリカのシエラレオネにおける衛生状態を調査しました。現地の方へインタビュー調査を実施し、現地の学校とオンラインで繋ぎ、手洗いチェックや衛生クイズを実施しました。手洗いポスターを作成して現地学校に掲示したり、コンポストを作成してもらったりと精力的に研究に取り組みました。今後はポスター掲示やコンポスト作成前後で、生徒や先生の衛生に対する意識が変化したかを事前事後アンケート結果から効果検証をします。
赤石澤さんと金崎さんは、学校代表者12グループに選出され口頭発表を行い、聴講者の興味を引くような掛け合いを見せ堂々と発表しました。そして、最優秀ポスター賞を受賞しました。おめでとうございます！
口頭発表の様子。
最優秀ポスター賞受賞。
「出産環境を国際的な視野で捉え地域に提案する」
開発途上国では医療環境が悪いため、出産前後の環境を改善させることで妊産婦や乳児の安全を確保できるはずと考えた阿部さん、菅野さん、藤原さん。
まずは、現状を調査するため、文献調査や日本の助産師、ネパールの助産師や保健師へインタビュー調査をしました。すると、ネパールのゴルカ郡バルパック村では、出産ができるヘルスポストが8つあり、徒歩30分圏内で出産が可能であることが分かりました。一方で、釜石市を調査してみると出産をするためには1時間かけて隣市の病院に行く必要があり、バルパック村と釜石市を比較することで、それぞれの課題を見つけることが出来ました。バルパック村では産後の精神的ケアが不十分であること、釜石市では出産までの移動が負担であるが産後サポートが充実していることから、改善への提案を掲示しました。
3人は仮説が覆る結果となりましたが、最後まで諦めず、原因を突き詰めてネパールから釜石を考える結果となりました！
ポスター発表の様子。
「洋楽を用いて、英語能力を楽しく向上させる」
英語の聞き取りに苦手意識がある生徒が多いと感じていた阿部さんと片倉さん。洋楽の歌詞から単語や文法を学ぶことで楽しく英語能力を向上できないかと考えました。
まずは、中学生対象の高校一日体験入学時に模擬授業を実施して、英語クイズや英語の聞き取りに苦手意識があるかを調査しました。また、高校生を対象に、英語教材に似た文法がある洋楽を選曲して、1回目は聞くのみで、その後に聞き取れたことをグループで話し合い、2回目は歌詞を見ながら聞いて、最後に新出語句の解説を行いました。普段と違う手法での授業により、苦手意識に変化があったことが分かりました。
参加者の英語能力が向上したかどうかは本結果では分かりませんが、苦手意識に変化をもたらすことが出来たのではないでしょうか？何よりも、2人が身近な課題を見つけ、いつも楽しく考察していたことが印象に残っています！
ポスター発表の様子。
各々が普段感じている課題を見つけ、なぜ？を追求する姿勢は、彼らの物事に対する考える力を養うことへと繋がると思います。その姿に私たちも学び、高校生が考える国際的な課題や海外への興味関心がこれから更に広がるよう、今後も精一杯サポートしたいと思います！
（報告：岩手デスク 市川）
SSH（スーパーサイエンススクールとは）
https://www.jst.go.jp/cpse/ssh/index.html
岩手県立釜石高等学校
https://www2.iwate-ed.jp/kas-h/
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