【草の根技術協力事業】弘前大学がベトナムから医師8名を招へいし「QOL健診」研修を実施しました~ハイフォン市における啓発型健診のための人材養成~

2024.08.19
ベトナムでは急速な経済発展に伴い、糖尿病をはじめとする生活習慣病は社会課題となっています。弘前大学は、草の根技術協力事業「ハイフォン市における啓発型健診のための人材養成」プロジェクトの実施を通して、ベトナムにてQOL(※)健診を実施できるようハイフォン市疾病管理センターの医師を対象に人材育成に取り組んでいます。
(※)QOL(クオリティ・オブ・ライフ)とは、「生活の質」のことで、「その人らしく充実した生活を送る」という意味。
23年1月から3カ年計画で進行中の本事業では、事業開始以来2度目となる、ベトナムハイフォン市疾病管理センターの医師8名を招へいした「QOL健診」の研修を実施しました。「QOL健診」は、生活習慣病の一次予防、地域住民のヘルスリテラシーの獲得による生活習慣行動の「変容」を目指した、弘前大学が開発・普及を進めている啓発型健診です。
7月25日(木)、ハイフォン市疾病管理センターの8名の医師は概要の説明を受けた後、QOL健診の体験・健康教育として、それぞれの項目の測定を体験し、測定方法についても学びました。QOL健診は即日その場で検査結果がフィードバックされ、楽しく健診に参加できるのが特徴です。実際に研修参加者からは「楽しみながら自身の健康をチェックすることができた」と所感が述べられました。
また、健康度チェック(健診)のみにとどまらず、健康教育(啓発)にも力点を置いているのがQOL健診の特徴です。総括として、中路特別顧問が「QOL健診」のベトナムにおける有用性や意義、健康寿命延伸について講義をしました。
QOL健診体験の様子
中路特別顧問による健康教育講義
今回研修を受けた医師8名はベトナムの所属先に戻り、研修の成果を活かして一般市民を対象にQOL健診の実施を予定しています。昨年度に研修を受講した医師らと協働し、また研修を受講していない医療スタッフにも研修成果の共有を図りながら準備を進めていきます。10月には、弘前大学のプロジェクトメンバーが現地に渡航し、ハイフォン市疾病管理センターが実施するQOL健診を支援します。こうした実績の積み重ねを経て、ベトナムにおける啓発型健診の社会実装に向けた人材が養成されることが期待されます。
(関連リンク)
本事業の概要: 事業提案書要約 (jica.go.jp)
弘前大学健康未来イノベーション研究機構:弘前大学健康未来イノベーション研究機構 (hirosaki-u.ac.jp)
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