【国別研修】シエラレオネからの報告 日本での学びでゴミ問題キャンペーンを推進!
2024.12.09
今年(2024年)1月、JICAは、西アフリカのシエラレオネでJICAが取り組む「レジリエンス強化のための能力向上プロジェクト」の現地関係省庁や地方議会関係者15名を対象に、東松島市などでの東日本大震災からの復興計画策定や開発事業で市民参加を促す取組みに学んでいただくため東北地域に招きました。
今般、現地プロジェクトの総括をされている久保嶋専門家から、帰国したプロジェクト関係者の活躍の様子についての報告です。
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------
これまで経験したことのない冬の寒さのなか、来日したシエラレオネの皆さんは東松島市などで活発な意見交換を行いました。
そのうちの一人、シエラレオネの東部に位置するコイドゥ市主席行政官のティファ・フランシス・ミチェックさんは、日本の美しい街並みやゴミ収集のシステムに感銘を受け、帰国後、日本で得たアイデアを基にコイドゥ市のゴミ問題改善に向けたキャンペーンを進めてきました。
人口増加が続く地方都市コイドゥ市では、ゴミのポイ捨てや不法投棄が深刻化し、雨期には排水溝が詰まり一帯が冠水。生活環境が脅かされていました。そこでコイドゥ市は、日本での研修で学んだ経験から、この問題の解決には、行政側からの積極的な働きかけだけでなく、市民一人ひとりの意識改革が不可欠との認識に立ち、ラジオ番組や街頭キャンペーンを通じて市民への啓発活動と対話を進めてきました。
ゴミ集積所の様子
街頭啓発キャンペーンの様子
また、通りやゴミ集積所で定期的な清掃活動を行い、住民の意識改革と継続的な活動による街の美化を進めてきました。その後、ティファさんは他県に異動となりましたが、彼が推進したキャンペーンは市のプロジェクトとして周りの職員達に引き継がれ、11月にはゴミの不法投棄への罰則やゴミ収集のルールなどを定めた市の条例草案に関する諮問会議が開催されました。この様子は地元紙でも大きく取り上げられました。
市条例草案諮問会議では活発な議論が繰り広げられた
コイドゥ市での廃棄物管理ワークショップを伝える記事(AIM net紙)
私のカウンターパートとなるコイドゥ市モニタリング・評価担当官の発言が印象的でした。
「コイドゥ市では我々のこれまでの努力の甲斐もあって、今や市民の意識も少しずつ変わり、路上のゴミも減ってきた」
日本での現場研修で得たアイデアが着実に実を結びつつあり、今後も活動が継続し、きれいなまちづくりが定着するよう、引き続き一緒に努力していきます。
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
日本での学びが現地の街の環境改善や住民皆さんの意識改革につながり、さらに発展していくことを期待しています。
JICA東北センター訪問
後列右から2人目がティファさん
東松島市での研修の様子
震災慰霊碑の前で
視察の様子
scroll