【外国人材受入・多文化共生事業】(実施報告)災害時の外国人支援セミナー ~災害発生時、どのような支援が必要か 大船渡山林火災を事例として~(JICAボランティアを支援するいわての会、(公財)岩手県国際交流協会、岩手県青年海外協力協会との共催)


2025.09.10
2025.09.10
今年2月に岩手県大船渡市で発生した山林火災による外国人材への対応を事例とし、災害時の外国人支援について考える契機とするため、「災害時の外国人支援セミナー」をハイブリッド形式で開催し、対面・オンライン合わせて約90名が参加しました。
日時:2025年9月4日(木)15:00~16:40(1時間40分)
場所:いわて県民情報交流センター(アイーナ)会議室501及びオンライン
参加者:対面・オンライン合わせて約 90 名
(1)災害時、外国人材が置かれる状況や課題について
発表者:松元秀亮(JICA国内事業部市民参加推進課長)
発表概要:能登半島地震後に石川県庁に派遣された経験に基づき、外国人の制度理解・周知の障壁、復旧・復興時の外国人材の地域社会活動参加や平時からのネットワークの重要性等について説明を行いました。
JICA国内事業部市民参加推進課長 松元秀亮
(2)山林火災発生に伴う「外国人従業員」の避難生活支援
発表者:佐々木晶生氏((株)マルカツ水産社長)
発表概要:従業員24人中インドネシア人11人が働いている大船渡市の水産会社社長より、山林火災が起きた際、日本人と異なる生活習慣などがある従業員のために、自身が経営する飲食店などを避難所として提供したことなどを紹介ました。
(左)佐々木晶生氏(マルカツ水産社長)、(右)高橋宏昇氏(聞き手、JICAボランティアを支援するいわての会事務局長)
(3)災害発生時、どのように感じ、どのように対応したか
発表者:フセン 氏(インドネシア出身 (株)マルカツ水産勤務)
発表概要:発災当時、ラマダン期間中だったこともあり「自分たちの文化や習慣を尊重してもらえる形で避難生活を送ることができて感謝している」などと話したほか、「災害の時に避難する場所や食べ物があるのかが心配だと知ってほしい」と語りました。
(左)フセン氏(インドネシア出身 (株)マルカツ水産勤務)
(4)パネルディスカッション
JICAボランティアを支援するいわての会・高橋事務局長の司会により、登壇者が「災害発生時、外国人に対しどのような支援が必要か」「平時から職場や地域社会において在住外国人と日本人がお互いにコミュニケーションを深めることの重要性」「今後必要とされる支援や配慮」等についてパネルディスカッションを行いました。
パネルディスカッションの様子
アンケートの結果によると、「とても満足」又は「満足」と回答された方が多かったほか、「普段からの関係構築やコミュニケーションが大事だというメッセージが強く伝わるセミナーでした」「実際の避難者の方のお話は、とても臨場感があり伝わるものがありました。」などの感想が寄せられました。
「災害時の外国人支援セミナー」チラシ
JICA東北は、今後もセミナーや出前講座などを通じ、地域の皆様による国際交流、外国人材受入れや多文化共生の取組みをサポートします。
JICA東北 市民参加協力課 外国人材受入・多文化共生担当
問合せフォーム:https://forms.office.com/r/HsCRWCg7pw
TEL:022-223-4772
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