【JICA横浜公開セミナー開催報告】SDGs達成に向けた社会課題解決のためのソーシャルビジネスについてアフリカと日本の女性起業家が語る
2023.07.03
JICA横浜センターは、4月15日、センター内会場およびオンラインにて、一般向け公開セミナー「～アフリカと日本の取組から学ぶ～ ポストコロナ期におけるSDGs達成に向けた社会課題を解決するためのソーシャルビジネス」を開催しました。本セミナーは、課題別研修「アフリカにおける女性のビジネス・起業の推進」のキーイベントとして開催されました。当日は、民間企業や大学関係者等から、会場・オンライン合わせて70名ほどの参加がありました。
JICA横浜センター研修業務課長の司会のもと、冒頭、JICA ジェンダー平等・貧困削減推進室長から主催者挨拶として、本研修が実施されるようになった背景であるTICADの横浜宣言2013について触れたほか、研修の特徴である、女性起業家と政府の企業振興担当者が同国から同時に参加することの意義や、本セミナーに対する期待を述べられました。また、ジェンダー平等と女性のエンパワメントの推進の重要性と、その推進のためのJICAの事業戦略や、女性のビジネス起業育成のためのパキスタンのプロジェクト事例、女性が所有・経営する起業や組織的・事業的にジェンダー平等を推進する企業に対して投資を行うジェンダーレンズ投資の取組なども紹介されました。
また、本セミナーはじめ多くの研修事業において多大なご協力を頂いている横浜市の取組紹介として、横浜市国際局国際政策部アフリカ開発会議誘致担当部長より、横浜とアフリカ開発会議（TICAD）の関係や2025年開催予定のTICAD9の誘致表明、国際技術協力・ビジネス支援・女性の活躍推進・次世代育成・市民交流といった取組のご紹介を通じ、「横浜はアフリカに一番近い都市」と熱く語られました。
そして、研修参加者の一人であるチュニジア国産業・鉱業エネルギー省中小企業振興局室長ベン・スラ・ナファ氏から基調講演として、今年度の研修参加国（コートジボワール、マリ、ニジェール、セネガル、チュニジア）における女性起業家の現状と課題について発表されました。
セミナー後半では、同じく研修参加者である、セネガル国女性起業家のサホ・バレ氏（トランスポート・イブラヒマ・サホ社代表取締役（運輸））と、コートジボワール国のヤオ・エプーズ・カシ・アジョウア・クレモンティーヌ氏（アピノーム社代表取締役・部長（養蜂）、そして、フェムテック製品を手がけるfermata株式会社CEOの杉本亜美菜氏をお迎えし、それぞれのビジネス紹介や課題・解決に向けた今後の展望等について発表されました。
バレ氏からは「運輸分野は男性社会であるためジェンダー課題の解決には政府のサポートも必要。女子学生インターンを積極的に呼び込むなど、運輸分野における女性のエンパワメントのパイオニアになりたい」という強い意志が述べられたほか、クレモンティーヌ氏からは「木を燃やしてはいけない」という課題認識から自身のビジネスに繋がった」というSDGs達成や社会課題解決のためのソーシャルビジネスの立ち上げについて紹介がありました。杉本氏からは「会社の規模以上に社会に興味を持ってもらうことが付加価値となる。未来を見据えながらも「こうあるべき」にとらわれない環境づくりが大切」と力強いメッセージを会場に向けて発信されました。
その後、本研修実施・運営委託先のアイ・シー・ネット株式会社の長年にわたる知見を活かしたモデレーターのもと、上述の3名の女性起業家を囲んで、社会課題やジェンダー課題をどう捉えて、ビジネスへの取り入れや企業の付加価値づくりに繋がったのか、また、過去の研修参加者を含めたネットワークをどのように活用できるかといったテーマでパネルディスカッションが行われました。
セミナー後は、会場では研修員とのネットワーキングが行われ、参加した方々が研修員のビジネスについて質問したり、研修員からは商品の紹介や課題を相談したりするなど、数年ぶりに対面で行われたセミナー会場内は活気であふれました。
JICA ジェンダー平等・貧困削減推進室長
横浜市国際局国際政策部アフリカ開発会議誘致担当部長
チュニジア国産業・鉱業エネルギー省中小企業振興局室長ベン・スラ・ナファ氏
セネガル国女性起業家のサホ・バレ氏
トランスポート・イブラヒマ・サホ社代表取締役（運輸）
コートジボワール国のヤオ・エプーズ・カシ・アジョウア・クレモンティーヌ氏
アピノーム社代表取締役・部長＜養蜂＞
パネルディスカッション
民芸品の展示
事業の紹介
会場の様子
登壇者全員で記念撮影
＼SNSでシェア！／
scroll