【日系社会研修】帰国研修員活動報告/研修で学んだことを活かし、ブラジルで新規プロジェクトを立ち上げました!

2022年度日系社会研修「地域保健医療福祉-病院から地域へ多職種によるチーム医療福祉」コースにブラジルから参加した佐藤ルシアさん。この度、研修で得た知識を活かし、ブラジル日系社会の高齢者サポートのための新規プロジェクト「絆プロジェクト」を立ち上げました。今後、佐藤さんより随時プロジェクト進捗・活動報告を届けていただくのですが、今回はプロジェクト発足までの道のり、現状とプロジェクト概要についてご紹介します!

自己紹介

皆さん、はじめまして。私は、2022年11月にJICA日系社会研修員として、長野県佐久市で実施した地域保健医療福祉のコースに参加した佐藤 ルシアです。簡単に自己紹介をします。

私は、子育ても終わった時期に、再び5年制大学の心理学部を受験、そして、2019年に同大学を卒業し、心理療法士としての道を歩み始めました。現在は、特に日本在住の日系人またはブラジル在住の高齢者を中心に、日本語及びポルトガル語を使い、オンラインにて国内外問わず活動しています。それと並行し、2020年からは、私が住むブラジル南部のパラナ州マリンガ市の日系老人ホーム「和順会」で週1度ボランティアとして、入居者のメンタルケアを行っています。

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絆プロジェクト発案者。右が私 佐藤 ルシア、左が石原 カリナさん

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国際女性デーの日には、スタッフにバラが送られました。

絆プロジェクト発足までの道のり

2022年の研修から帰国後、既に高齢者を対象とした活動を5年ほど行ってきた事と、JICA研修で修得した新しい知識に刺激を受け、現地で何か高齢者向けのアクションを起こす事はできないかと色々模索しはじめました。結果、当市のACEMA(マリンガ文化体育協会(通称“文協”、現地日系人コミュニティの中心組織))の会員で、今は現役を離れ、なおかつコロナ禍で引きこもり気味になり、社会的に孤立してしまった70歳以上の高齢者を対象とした「絆プロジェクト」を友人数名と立ち上げようと決心しました。

まずは自分と一緒に苦学を共にした友人、石原 カリナさんに相談し、これを皮切りに他の友人たちも誘い、14名ほどのボランティアチームが結成されました。これが、2023年7月の事です。それからは週1度のペースで何度も会議を重ね、プロジェクトの内容を協議し、毎週日曜日 午前8:30~11:30の3時間程度の集会を当文協の敷地内施設で行う事に決めました。

2024年2月上旬、文協幹部会議で実施が許可され、3月の会議では数十年ぶりに、新しく「社会(活動)部」が設けられました。現在はプロジェクト開始に向け準備中で、4月14日に第1回目の集会を行う予定でいます。

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プロジェクト初期メンバーの初会議の様子。(2023年7月)

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プロジェクト内容に関してのオンライン会議。

現状とプロジェクト概要

現状感じる事は、コロナ禍で高齢者が益々引きこもってしまい、家族も成す術が無く困っているという事をよく耳にします。このような問題を少しでも改善すべく、スタッフ一同、準備に精を出して頑張っているところです。我々スタッフの心得としては、

という思いがプロジェクトの3柱となっており、これは制服(Tシャツ)の背面にプリントされています。

集会の主な内容としては、ラジオ体操に始まり、20分程度の日常的な生活改善に役立つ講義、日本の伝統行事にちなんだお祝い、歌、手作りの日本食おやつの提供、高齢者向けのヨガ、レクレーション(主に身体機能又はメンタルの活性化につながるゲーム等)、参加者による歌の披露、コーラスなどです。高齢者が毎週、心置きなく気軽に集まれる環境の提供を目指しています。
このプロジェクトのスタッフにはJICAの他研修を受けたメンバーが数名います。また、過去にJICAの資金援助で造られた学生寮のホールがプロジェクトの集会場となり、色々な面でJICAとは深い関わりを持ったプロジェクトとなっています。現在は、日本で培ったことを本プロジェクトで生かしてほしいという思いで、APAEX(JICA元日本研修生協会マリンガ支部)の会員をプロジェクトパートナーとし、打ち合わせなどをしている状況です。

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スタッフのコーラスの練習。みんな初心者ですが頑張っています。練習曲は「花は咲く」と「この街で」です。

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高齢者のレクレーション用の試し打ち。

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ACEMA副会長兼マリンガ市高齢者審議会会長のヤツガフ・マリオ氏。

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ACEMA副会長兼精神科医師の亀岡 ミルトン氏。

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2023年末のささやかな忘年会を開きました!

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