スリランカ国別研修「油防除対応能力向上(応用)」コース無事終了
2024.06.04
5月20 日から始まったスリランカ国別研修「油防除対応能力向上(応用)」コースは5月25日に無事、幕を閉じました。
この研修はJICAと海上保安庁が協力し2021年から行っている「海洋災害対策及び海洋環境保全に係る油防除対応能力向上プロジェクト」の一環として、昨年度から実施しています。スリランカの海上保安機関である「スリランカ沿岸警備隊」を対象に、海水等に流出した油を防除するための専門人材の育成を目指し、専門研修や組織体制の強化のための技術移転を行っています。
スリランカはアジアと中東・欧州を結ぶ海上の大動脈(シーレーン)に位置し、原油などの主要輸送ルートとなっています。近年、経済活動が活発化し、海洋資源開発が進んでいるため、大型船舶が利用できる新しい港の整備に力を入れています。そのため、スリランカ海域では海上交通量が増加し、船舶の座礁事故による海洋汚染のリスクが高まっています。
現地調査(実習風景)
本研修は、神奈川県横須賀市にある一般財団法人海上災害防止センターで実施されました。同センターでは海上保安機関や消防機関の職員を対象に、海上での災害対応のための様々な訓練を提供しており、JICAで行われている他の研修でも活用されています。
研修員たちはここで油防除のための実習に参加したり、具体的な教官育成のためのカリキュラムや倉庫管理法について講師に質問したりするなど、帰国後に自らの所属組織の人材強化に役立つ経験を積むことができました。
また今年度は、スリランカ沿岸警備隊の長官も来日し、JICA本部訪問や日本の海上保安庁長官との会談を通じて、今後の人材育成や更なる二国間協力に関する意見交換が行われました。
JICAは、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現に向けて、海上保安分野の取組みも引き続き実施していきます。
実習成果発表
実習成果発表
海上保安庁長官表敬(海上保安庁提供)
海上災害防止センターにてコース修了
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