【草の根技術協力事業】インドネシアの防災関係者の皆さんが、富士山火山防災学習を視察しました
2024.07.09
JICA草の根技術協力事業「地方大学を拠点とした低頻度大規模災害に対応可能な防災コミュニティづくり」は、山梨県富士山科学研究所を代表に、協力機関としてNPO法人火山防災推進機構、富士吉田市、富士河口湖町も参画しながら2022年から実施されており、今年で3年目を迎えます。
プロジェクトの一環として、インドネシアから関係者を日本に招き、日本の火山地域等における防災コミュニティ強化に向けた取り組みについて防災担当者や教育関係者との意見交換などを通じて理解を深めるための研修が行われました。今回の訪日研修(2024年6月22日~6月30日)では、拠点大学、地域のボランティア協会、小学校の校長先生など7名が参加しました。
インドネシアのバリ島で実施している本事業においては、地方大学を拠点に地域の子どもたちが防災教育を受ける仕組みを構築することを一つの目的としていることから、6月25日(火)には、富士河口湖町立勝山中学校での富士山火山防災学習およびワークショップを視察しました。勝山地区では、勝山小学校6年生、勝山中学校1年生、2年生が防災教育のモデル校として、年に一度、富士山科学研究所の研究員を招いて、特別授業を受けています。
授業を見学するインドネシアの関係者のみなさん
講義を聞く生徒のみなさん
特別授業では、火山の種類や噴火の仕組みについて研究員より分かりやすく解説が行われました。ワークショップでは、噴火の警戒レベルに応じて自分だったらどう行動するのかを考えグループでディスカッションを行うゲームを行いました。
こちらのゲームは主に地震災害をシミュレーションするカードゲーム「クロスロード」をアレンジして作成されたものです。
生徒たちは、ゲームで与えられた状況になったらどう行動するべきか、悩みながらも真剣に考えていました。その様子をインドネシアから視察に訪れた皆さんも、興味深そうに伺っていました。
授業終了時にプロジェクト地域のアグン山の2017-2018年の噴火で地域の対応にあたった、バリ州ボランティア協会のDewiさんは、
「防災は誰か一人の責任ではなく、多くの関係者の協力が必要です。このプロジェクトでは、山梨県富士山科学研究所でプロジェクトマネージャーの吉本さんを始め多くの方から新しい火山防災の取り組みについて学んでいます。今日の防災教育の現場の視察から得た知識もインドネシアに持ち帰りたいと思います。」
との感想を寄せられました。
今回の研修で得られたことが、インドネシアでの火山防災力向上につながることを期待しています。
ワークショップ
グループディスカッション
感想を述べるDewiさん
scroll