実施報告 2024年度 教師海外研修 事前研修
2024.08.05
JICA横浜では神奈川県・山梨県の教員を対象に教師海外研修(※)を実施しています。今年度の研修先はブラジル連邦共和国です。「多文化共生・移民」を研修テーマとし、ブラジルや日系人の方々の生活・文化に触れることを通して、多文化共生や移民への理解を深め、帰国後は、現地での経験・学びをいかして、学校内および地域において国際理解教育の推進、子どもたち育成の推進をしていただくことを目指します。
6月~7月にかけて研修の一環として、事前研修を実施しました。今年度は11名(小学校4名、中学校4名、高校3名)のメンバーで研修がスタートしました。
第1回事前研修:6月22日(土)
第2回事前研修:7月6日(土)(開発教育教員セミナーへの参加)
第3回事前研修:7月13日(土)・14日(日)
【第1回事前研修:チームビルディング・ゴールの共有】
第1回事前研修では、チームビルディングを目的に、JICA横浜所長大野の挨拶から始まり、自己紹介やチームのゴール、そしてチームとしてどのように研修を進めるか、について共有する時間となりました。参加者11名とスタッフ全員がチームとして、互いに気づかないことを気づかせ合いながら化学反応を起こすような研修を目指します。
また、参加者が考える「多文化共生」の理想の姿と、その理想に対する児童生徒の現状を参加者全員から話す時間や「国際理解教育/開発教育」について参加者が知りたいことや深めたいこと、または困っていることなどを共有する時間をとりました。今後の研修で習得すべき具体的なトピックが整理されました。
【第2回事前研修:国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)】
第2回事前研修では、国際理解教育/開発教育 教員セミナー(基礎編)に参加しました。本セミナーはオンラインで行われ、国際理解教育・開発教育を行う上で一つのキーワードである「理解」を切り口に、国際理解教育/開発教育の基礎概念を学ぶ講演、多文化共生の事例紹介を実施しました。
【第3回事前研修:多文化共生・移民について理解を深める】
第3回事前研修は、2日間の日程で開催し、1日目にはJICA中南米部 南米課担当者から歴史や政治・経済、ブラジルにおけるJICAの具体的な活動説明のち、テーマである移民について理解を深めるため、JICA横浜にある海外移住資料館の見学を実施しました。参加者はそれまではうまくとらえることができていなかった移民について、資料館見学にて学びを深め、今後の研修で解消していきたい「モヤモヤ」をたくさん抱いたようでした。
2日目には、国際理解教育・開発教育の様々な手法のワークショップを体験したり、本研修の経験や学びをどのように学校・地域に還元していくのかのアイディアを参加者同士で検討したり、主体的で気づきの多い時間となりました。
緊張気味の参加者。いよいよ研修スタートです。
小野行雄氏の講演の様子。
海外移住資料館での学び。モヤモヤを全体共有している様子。
3回に渡る事前研修を終えて、チームビルディング、開発教育のワークショップ体験、過年度参加者からの情報共有等を通じて、参加者11名の海外研修に向け準備が整ったようでした。海外研修にて実際にブラジルを訪れて、今回の研修のテーマである「多文化共生・移民」について学びを深める予定です。
※教師海外研修とは
教師海外研修は、国際理解教育や開発教育に熱心に取り組んでいる小・中・高の教員のみなさんを対象に、開発途上国における国際協力の現場を実際に体感することを通じて、途上国の現状や日本との関係について考え、その経験をそれぞれの教育現場で、児童・生徒の皆さんに伝え広げていただくことを目的として実施しています。
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