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山梨県のJICA草の根協力事業 実施団体からの声を紹介します! (山梨県富士山科学研究所 吉本 充宏さん/地方大学を拠点とした低頻度大規模災害に対応可能な防災コミュニティづくり)

2024.09.04

団体名:山梨県富士山科学研究所
所在地:山梨県富士吉田市
実施期間:2022年7月~2025年7月
対象国:インドネシア共和国
カウンターパート:ウダヤナ大学
事業担当代表者:プロジェクトマネージャー 吉本 充宏さん

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プロジェクトマネージャー 吉本 充宏さん

地方大学を拠点とした低頻度大規模災害に対応可能な防災コミュニティづくり

防災に関する情報が豊富にあっても、災害時に正しく活かせなければ命を救うことはできません。また、地域の災害リスク(ハザード)と引き起こされる可能性のある災害(ディザスター)の理解を深め、自分の住む地域の特性を理解し、それに基づき各地域に適した防災行動を取ることが、災害を小さくするための鍵となります。

そのため、このプロジェクトでは教育を軸に、防災教育の環境を整え、防災コミュニティを作ることを目指しています。
各地域では、受け取った情報を正しく理解し、行動に移せる人を1人でも2人でも増やしていくことが重要です。地域に長く携わる大学を拠点とし、楽しく学べる防災教育を通じて地域の防災能力を高め、活動に携わった学生が教員となり防災や減災活動がさらに進むことを期待しています。

新たな気づきと日本での活動へのフィードバック

前回のプロジェクトサイトと今回のプロジェクトサイトであるバリ島では、同じインドネシアでも違う点が多くあり、地域ごとの文化や人柄の違いを改めて認識しています。今回のプロジェクトの当初計画では、全インドネシアで展開できるようなモデルづくりを目指していましたが、今は、地域ごとに適したアプローチを独自に見つけてもらうことがいいのではと考えています。
富士山周辺でも地域ごとに文化や考え方の多様性があります。インドネシアの各地域での民族的な違いを見ていく中で、やはり一辺倒の防災ではだめだと気付いたところがあります。防災は誰のためにやっているのかという点が一番大事で、地域に合わせた、住民が納得する防災活動が必要で、住民と協力して防災に取り組むことが重要。その地域に住みながら防災に携わることで、住民にも安心感があり、話を聞いてくれると改めて思いました。

先生たちの意識も徐々に変化

前回のプロジェクトでは噴火した際には、自分の生徒の中に山側に家がある人がいたら、絶対に山側には逃がさないでくださいと先生方に話をしていました。実際に噴火があった時、ある校長先生はそれをしっかり守って、山側の家に連れて帰ろうとした親がいたのでそれを制して、私たちがこの子たちを下の方に連れて行きますという行動をとってくれたという話もありました。 今回のプロジェクトでも、学校の先生の意識が変わってきている事を感じています。防災教育では、理科的楽しみを持ちながら正しい基礎知識を身につけ、現象を理解して防災行動につなげるということをしています。このような教育を自分たちでもやってみたいという現地の教員からの声を聞いています。

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避難訓練

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避難訓練

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しくみを理解する実験

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