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【教師海外研修】ブラジルでの海外研修を終え、帰国しました

2024.09.04

神奈川県と山梨県の先生たち11名がブラジル連邦共和国で2週間の海外研修を終え、8月17日(土)に帰国しました。

学校視察、日系社会青年海外協力隊活動視察、日系コミュニティとの交流、草の根技術協力視察を中心に、「多文化共生・移民」のテーマのもと14日間の行程で海外研修を実施してきました。

現地では公立私立の小学校・中学校・高等学校・学童施設4校を訪問し、授業見学、児童生徒および教職員とのディスカッションを行いました。日本の学校との類似点や相違点、また児童生徒の様子や掲示物、学校システムなど多くの視点から多文化共生のヒントを得ようと、11名の参加者たちは積極的に臨んでいました。
中学校と高校を訪問した際に生徒たちに「ブラジルをひとことで表現すると?」と質問したところ、「多様性、多文化、騒がしい」などの回答があり、さらに多文化について問うと、ある生徒が「ブラジルはヨーロッパや日本、アフリカから移住してきた人が多く、それを言わずにはいられない!」と答えていたことが印象的でした。歴史的に多様性がごく自然に社会に存在している姿の一端を感じることができた瞬間でもありました。

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教室にて覚えたてのポルトガル語で挨拶する参加者

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教職員との懇談会の様子

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授業見学の際に先生にインタビューする参加者

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子どもたちに竹トンボを教えている参加者

日系社会青年海外協力隊員の方々の活動に触れる機会も多く、参加者たちは隊員たちの積極的な活動や苦労話からも多く学ぶことがあったようでした。日本のやり方を一方的に押し付けない、現場の声を聞く、共につくりあげていく、唯一の正解はない、一時で終わらず持続可能な方法を探る、迷ったら初心にかえる、など数々の素敵なことばに出会うことができました。
日系コミュニティとの交流の機会も多くありました。主に10代まで日本で暮らし、その後帰国しブラジルで活躍する日系2世以降の若者を中心に結成された「あいのこ会」のメンバーと懇談しました。同会のメンバーたちは、日本とブラジルの両文化を持ちつつもブラジル社会に適用しようとしてきた若者たちが集まってネットワークづくりをしているグループです。彼らの日本での経験、ブラジルでの経験、アイデンティティや言語の問題などを語り合ました。現在も日本やブラジルで困難を抱えている若者への対応策や、日本の学校での外国に繋がる児童生徒への対応についての多くのヒントをいただきました。
サンパウロから飛行機で4時間ほどのパラー州ベレン、ベレンから車で4時間ほどのトメアスーにある日本人移住地を訪問した際には、「こんなに遠くにも『日本』がある!」と驚きながら、現地で活動する隊員や日本人移住者の方々との交流を通じて、本研修のテーマである移民について深い学び、多くの気づきと感動を得ることができたようです。

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アグロフォレストリー農園にて記念撮影

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ホームステイ先でホストファミリーと一緒に料理する参加者たち

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アマゾン川ではスクールボートを発見

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サンパウロで日本の牛丼チェーン店にチャレンジしている参加者たち

毎日の視察、見学、懇談、インタビューなどで得た、多くの情報や気づき、または疑問点について、参加者たちは、毎晩行なわれた振り返り会でそれらを話し合い、共有しながら整理に努めました。時には会議室や部屋で、時には車中や歩きながら、限られた時間を有効に使いながらも振り返りを大切に、2週間を過ごしていた姿が印象的でした。

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ホテル会議室にて振り返り会の様子

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空港でも振り返り会を行う参加者たち

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たくさん共有された付箋を、床を使って整理している様子

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トメアスーのホテル食堂での振り返り会の様子

研修で得た学びをより多くの児童生徒に還元するためには、まずは学校関係者や親等へのアプローチが必要であると考え、参加者で今後の活動計画を検討し実行していく予定です。各先生方の授業はもちろん、校内や地域での報告会の実施、教育委員会や省庁へのアプローチ、多文化共生にかかわる授業案動画や多文化共生通信の配信など多くのアイディアが既に検討されています。JICAのホームページなどで案内いたしますので、どうぞご期待ください!

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