南アフリカ国別研修「無収水管理能力向上プロジェクト第1回本邦研修」が終了しました
2025.03.06
2025年2月3日から2月14日まで、南アフリカ国別研修「無収水管理能力向上プロジェクト第1回本邦研修」が実施されました。この研修には、南アフリカ共和国で実施中の技術協力「無収水管理能力向上プロジェクト」の関係者が参加しています。今年度は、中央省庁、ケープタウン、ツワネ、都市インフラストラクチャー支援ユニットから10名の研修員が参加しました。研修は約2週間にわたり、日本の水道事業の標準作業手順書(SOP)や横浜市水道局の歴史を学びながら、特に横浜市水道局における無収水対策に重点を置いて研修を行いました。
南アフリカ共和国は、一人当たりの水資源量が少なく、無収水対策が非常に重要です。無収水とは、水道事業において収益を生まない水のことで、漏水、盗水、計測誤差が主な原因です。これにより事業者は経済的な負担を強いられ、収益減少や資源の浪費、サービスの質の低下が引き起こされます。南アフリカ全国無収水研修を支える実務者たちが、横浜市や神奈川県中井町が持つ水道事業の技術面や経営面に関する人材育成ノウハウと無収水対策の知識と経験を得ることで、「無収水管理能力向上プロジェクト」の成果の最大化を図りました。
研修では、横浜市の水道事業や無収水対策、漏水管理を始め、日本の無収水対策を学びました。その他にも、管路更新計画やアセットマネジメント、水道事業体の人材育成、配水維持管理技術、図面管理、GIS、メーター管理、顧客管理など、効率的な無収水管理能力の向上を実現するための幅広い知識を習得しました。
研修員からは、「2週間の研修で多くのことを学ぶことができた。具体的な図面管理の方法や漏水探査のテクニックを学ぶことができたので、帰国後はアクションプランを実施していきたい」との抱負が述べられました。またコースリーダーからも「講議を受けただけでは10%しか記憶に残らないが、講義で学んだ内容を同僚や部下に教えることで、知識が定着して身につくので、帰国後は技術協力プロジェクトを通じて、今回学んだことを周囲に伝えてほしい。」との期待が寄せられました。
この研修は第2回、第3回と今後も継続していく予定なので、現地のニーズにさらに応えられる、より良い研修を目指して取り組んでいきます。
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