【JICA草の根技術協力事業】タイにおける最終会合と日タイ市民ボランティアの学び合いを開催
2025.07.17
2025.07.17
2025年7月3日と4日、タイ・パトムタニ県ブイントー市にて、JICA草の根技術協力事業「タイ国 自治体ネットワークによるコミュニティベース統合型高齢者ケアの普及モデル構築と人材循環プロジェクト」の最終運営全国会議/評価会議および日タイ市民ボランティアによる学び合いプログラムが開催されました。これは、2022年8月から3年間実施されている本事業の集大成として位置づけられるものです。
本事業は、高齢化が急速に進むタイにおいて、地域資源を最大限に活かした包括的な高齢者ケア体制の構築を目指し、タイの自治体同士、また日タイ間での「学び合い」によるネットワークの拡大を推進してきました。当初9か所からスタートしたタイの自治体ネットワークは、現在ではタイ全土の39自治体にまで広がっています。
今回の会議には、タイ側から全国の市長や自治体幹部、学識者150名に加え、学生・市民ボランティア約50名、オンライン参加者を含む、合計約300名が参加しました。日本側からは、在タイ日本大使館の小林洋介一等書記官、JICAタイ事務所の作道俊介所長、湯河原町の内藤喜文町長、同町の介護関係事業者(シーサイド湯河原、ニューライフ湯河原、足柄リハビリテーションサービス)、湯河原町の地域ボランティア(フレイルサポーター・認知症カフェ「青空カフェ」運営者)、さらには学識者やNGO(野毛坂グローカル)が出席しました。
会議では、3年間の活動を振り返るとともに、沖浦文彦氏(大阪経済大学教授)、三好友良氏(チュラロンコン大学客員研究員)、ナタデット・チョムプラン氏(タマサート大学助教授)、クワンチット・サシウォン氏(マヒドン大学准教授)によるプロジェクト評価の報告が行われました。
報告では、プロジェクトのマネジメント体制、保健・医療・福祉の統合的アプローチ、地域の力を最大化する試みに対して、いずれも高い評価が寄せられました。
本プロジェクトでは、「(医療保険/介護保険など)公的なケア・介護制度の整備」と「地域資源の活用」の最適な組み合わせを模索しつつ、持続可能な地域包括ケアのモデルづくりを実践してきました。
その過程で、日本とタイの自治体・住民が互いの経験と知見を共有し、互いに学び合う姿勢が育まれました。デイケアセンター運営、ケアマネジメント、ボランティアによる見守り活動、住民主体の介護予防や健康増進、認知症カフェ、認知症サポーター養成講座など、様々な取組が実現・普及してきました。
プロジェクトの詳細や会合の内容については、プロジェクト公式ウェブサイトにてご覧いただけます:
https://smart-strong-project.org/2025/07/04/fmc/
最終運営会議の参加者
日タイの市民ボランティアによる学び合い
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