2012年度 −研修の現場から−「仏語圏アフリカ農村振興コース」

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講義では、研修員からの鋭い質問も飛びました。

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農林水産総合技術センター視察の様子

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農作業で使用する耕作機に試乗し、はしゃぐ研修員

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農作物直売所では、綺麗な日本の野菜に感動

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砺波平野の散居村を背景に記念撮影

2012年9月24日から10月11日にかけて、アフリカ7ヵ国(ニジェール、チュニジア、カメルーン、ガボン、コートジボアール、ブルンジ、セネガル)から19名の研修員が、富山県において農村振興に向けた取り組みについて学びました。参加者はアフリカ諸国の農業省の若手行政官です。今回の研修は富山県の「NPO法人グリーンツーリズムとやま」の皆さんに実施していただきました。

多くのアフリカ諸国では、国民の多くが農業に従事しており、基幹産業の1つとなっています。大部分が零細農家であるにも関わらず、日本の農協のような組織が十分に機能しておらず、生産から流通までのシステムも整っていません。その他、かんがい設備が整っていない、農業従事者人口の減少などの問題も抱えています。アフリカでは人口増加に伴い、米や野菜の消費量が年々増加している反面、上述のような問題を抱えている為、結局は農作物を輸入に頼らざるを得ない状況となっています。
今回の研修では、日本の農村地域の現状、行政支援体制、農業組合組織、加工・流通体制、地域資源の活用、小水力発電等を学び、自国での農業分野に関する活動で活用できる要素を見出すことを目的としました。

研修では講義のみならず、さまざまな場所への視察も行いました。

1枚目は富山県農林水産部農村整備課の方の講義の様子です。どの研修員も集中して講義を聞いており、活発に質問する姿が見られました。研修員からは鋭い質問が飛び、講師の方々もやりがいがあるとおっしゃっていました。
2枚目は農林水産総合技術センター視察の様子です。その土地の風土に合った野菜や、新たにブランド化できる野菜や花卉(かき)を開発し、県の農業を活性化させるための取組みについて学びました。
3枚目は農作業で使用する耕作機に試乗した写真です。アフリカにも耕作機はありますが、大規模プランテーションのみであり、一般の農家では通常は使用されていません。そのため研修員にとっては珍しく、こぞって試乗し写真撮影をしていました。
4枚目は地元でとれた農作物直売所での様子です。直売所の野菜を見ても、日本の野菜は綺麗であること、そして1つ1つの商品が丁寧に包装されていることに驚いていました。
最後に初秋の青空の下、砺波平野の散居村(さんきょそん)を背景に、研修員と研修受託先の方とで集合写真を撮りました。砺波散居村では、散居村における農業・農村の近代農業に至る過程、当地区の歴史展開などについて学びました。

研修の最終日には、今回の研修で学んだ事を自国の農業にどのように生かしていくかについて、各国で発表しました。彼らの発表の中で特に心に残っているのが、カメルーン研修員の「省庁の上から目線にならず、農民を巻き込んで一緒に活動することを目指す」という言葉です。この言葉を忘れずに、富山での経験を自国での活動に生かしてくれることを期待します。