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JICAの「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、JICA北陸は、富山・石川・福井の3県と世界をつなぐ架け橋となるべく、1992年に金沢の地にオフィスを構えました。北陸の知恵や技術を世界の発展に役立てるお手伝いをすること、また、それを地域の活性化につなげていくことが私たちの役割です。
気候変動や感染症、パレスチナやウクライナの紛争、国際秩序の揺らぎや排外的な国際政治など、世界は複雑で深刻な課題に直面しています。こうした出来事は決して遠い世界のことではありません。世界が不安定になれば、食料品や燃料費などの身の回りのものは高騰し、北陸の食卓や家計にも影を落とします。気候変動による自然災害甚大化の爪痕は、今も人々の記憶に新しいところでしょう。国際情勢は、北陸の企業活動や地域社会、私たちの毎日の生活に直接影響しています。
転じて、街中には海外からの旅行者が増え、職場や学校には多様な国の人びとが共に暮らすようになりました。「内なる国際化」がすすみ、経済を回し社会を構成していることに気づきます。また、私たち自身も海外に出れば、今度は自分が「外国人」-その地域のマイノリティーになる。人の立場と「国際」の位置付けは、視点によって容易に入れ替わるものだと実感します。
北陸は、豊かな水資源と日本海の恵み、加賀友禅や輪島塗などの伝統工芸、精密機械や繊維産業などのものづくり文化、そしてものづくりから発展した宇宙やエネルギー分野の先端技術など、多様な強みをもつ地域です。これらは、世界の課題解決に活かせる貴重な資源です。一方で、人口減少や高齢化といった課題は、途上国も共通しています。とりわけ2024年の地震や豪雨により能登地域では、復興と人口減少という課題が重なっています。北陸と世界が学び合う国際協力は、地域の未来を支える力になる可能性があると考えています。
「北陸のちからを、世界のために。世界とのつながりを、北陸のちからに」。JICA北陸は、そんな知恵と技術、人の交流、そして共創と環流を生み出す拠点として、地域の強みを活かした国際協力を進めてまいります。また、地域の未来を担う国際理解教育やグローカル人材の育成、多文化共生や地域の活性化などにも資するよう力を注いでまいります。北陸のみなさまにおかれては、今後とも温かいご支援とご協力をお願いいたします。
2025年10月
JICA北陸
所長 折田 朋美
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