循環型社会の構築

本記事からJICA北陸インターン2名が行った取材での内容をお届けします!

会宝産業株式会社 海外事業部 海外事業課 課長
鈴木 大詩さん

つくる責任 つかう責任

【画像】自動車リサイクルという言葉をご存じですか。車は人を豊かにし、増え続け、今や車社会となった現代、世界には多くの車であふれています。それと同時に廃車になる車も多くあるはずです。そして世界の中には廃車になった車をただ放置する手段しか選択できない国もあります。ただ増え続ける車を誰も「あとしまつ」をしていかなければどうなるかは簡単に想像がつくでしょう。それら廃車になった車はただ処分されて終わりなのだろうか、いや違います。廃車になった車は再資源化、必要とされている部品は取り出し、再利用ができるのです。これはまさにSDGs目標「12.つくる責任 つかう責任」に貢献しています。この循環を成し遂げようとしているのが会宝産業の自動車リサイクルです。

なぜJICAと?

世界ではすぐ壊れてしまう車も多く、自動車部品はとても必要とされています。廃車になった車の部品はまだまだ使えるものばかりです。とくに日本はまだまだ走行可能だが買い替える人が多く、廃車になります。その分部品はとても良い状態であり、需要が高いです。そうして必要としているところへ届け再利用する、これを世界中のあちこちで行えば、地球規模での循環が成り立ちます。そのために日本は技術やノウハウを世界に伝える義務があります。しかし技術やノウハウを伝えるということはそう簡単なことではありません。その理由として1番大きいのは例えば途上国にはルールがない国が多いからです。車を解体するにしてもオイルをそのまま流したり、分別しなかったり、環境に対する配慮がありません。伝えるためにはまずルールが必要です。ではどうすればいいのでしょうか。JICAと連携することで理念、目的、日本政府としてのビジネスであることを伝え、ルールをつくります。そしてビジネスを始めるための足掛かりをつくることが可能になるのです。

社会のために

【画像】創業者の会長がこの事業を打ち出したきっかけはご子孫が誕生したとき、ご子孫が成長する未来に今の地球環境を残せるのだろうか、と考えたことだと伺いました。持続可能な社会のために、自分たちはどう行動するべきか、そしてなにより自分たちがどうあるべきか。利益は目的ではなく、結果です。そうして社会のためにあり続ける、いやそうでなければいけません。時代がどう変化しようともこの軸がぶれません。2030年には社会も車も変わります。自発的に新しいものを取り入れよう、制度を変えよう、自分たちの手で良いものをつくっていく、このようなやりがいがきっと社員1人1人の挨拶や笑顔がとても素敵な理由のひとつに繋がっているのだろうと感じました。鈴木課長からは、会宝産業がまだまだ課題はたくさんあり、挑戦し続けるとのことです。

取材
JICA北陸インターン
吉﨑 杏樹