日本のビジネスを世界へ

JETRO富山とJICA北陸は富山県内の企業の海外展開支援の強化を目的に連携しています。

日本貿易振興機構(ジェトロ)富山貿易情報センター 所長
髙村 大輔さん

JETROとは?

私たちの主な取り組みは、対日直接投資やスタートアップの海外展開支援等を通じ、イノベーションの創出を促進すること、日本の農林水産物・食品輸出を支援すること、中堅・中小企業など我が国企業の海外展開を支援すること、調査や研究を通じ、我が国企業の活動や通商政策等に貢献することです。事業の幅は広く、私たちの強みは国内49拠点、海外54か国74拠点、合計120以上の事務所のネットワークです。また、企業さんにとって必要な場所に事務所を構えているので、現地での情報提供が可能です。とりわけ主な取り組みの4つ目の調査や研究は、他の国の同じような機関に比べてとても充実していると思います。私たちは日々情報収集に努め、企業さんに必要な情報を最新でお届けしています。

JETROとJICA

JETROとJICAはそれぞれの強みを生かし、海外での事業展開を目指す日本企業さんを連携して支援しています。この連携をすることでそれぞれが持っているスキルを活用でき、さらにより効率的に企業さんの海外展開を実現できます。支援サービスも充実し、企業さんは安心して海外展開に踏み出すことができます。実際に「活動資金の援助と生きた現地情報が不安になる気持ちを払拭してくれた」、「『JETRO、JICAからサポートを受けている』ということが名刺代わりとなってネットワークが広がった」などの声もあります。JETROとJICAは定期的にお互いどんな支援ができるのかを話し合っています。

どんな取り組みをしているの?

様々な取り組みをしていますが、そのうちの1つに人材育成があります。国際ビジネスを行うのはやはり人なので、重要なテーマです。そこで、ジェトロでは、日本人向けに「中小企業海外ビジネス人材育成塾」という事業を実施しています。先ず国内で、自社の現状分析やプレゼンテーション等のスキル向上のための研修に参加いただいた上で、実際に海外で情報収集の集め方や商談の進め方等を体験いただくものです。富山でも近く実施したいと考えています。また海外の方をインターンとして日本企業に受け入れ、会社の雰囲気、日本人と一緒に働くことを体験してもらいます。外国人社員を採用される場合は、育成し、定着させることで自国へ帰国する時にその国に設立した事務所や工場に派遣したり、新しく会社を設立したりすることができるようになります。
他にも、最近はアフリカ事業もインフラ中心ではなく、スタートアップ企業支援へと、時代と共に変化してきました。ビジネスパートナーを見つけたいという企業さんには、各国の展示会への出展のサポートをしたりもしています。さらに、富山の日本酒や食品、伝統工芸品などを海外でPRして、そこで食べ方なども合わせて提案することで、海外の方に取り扱ってもらえるような機会を提供したりも行っています。日本と海外の相互支援、地域経済の活性化、幅広く、質の高いサービスを提供しています。

取材を終えて

インタビューの様子

髙村さんは学生時代、留学生である同級生の「自国の政府の一員として経済成長のために貢献したい」という思いに感化され、自分も同じフィールドで働き、国の政策に貢献したいと思ったことがきっかけで入職されたそうです。そして、私の「時代の流れと共に富山の伝統産業は失われないですか」という疑問に対し、「富山の伝統工芸品は時代と共にどんどん変化し、どんどん新しいものも増えています。作り手さんの考えがとても柔軟でおもしろいです。だからきっと富山の産業はなくならない、どんどん世界にチャレンジするべきです」と、おっしゃっていました。そんな髙村さんの期待に溢れておられる表情を見て、私の不安は一掃されました。

取材
JICA北陸インターン
吉﨑 杏樹