安心の生活環境を、そして循環型社会へ

株式会社アース・コーポレーションは、JICA民間連携事業「リマ市における有機性汚泥の乾燥処理技術を活用したバイオマス燃料の製造に係る案件化調査(2014~2015)」、「リマ市における有機汚泥の乾燥処理技術を活用した再生燃料の製造に係る普及・実証事業(2018~2020)」を実施いただいています。

【写真】平田 毅さん株式会社アース・コーポレーション 経営企画部 経営企画課
平田 毅さん

『真のリサイクルカンパニー』

【画像】我々の大きな企業理念は「廃棄物をただ処理するだけでなく、できるだけリサイクル(資材化)し、最終処分量の削減と循環型社会の構築に貢献する企業になること」です。誰もがやりたがらず、リサイクルが困難であるものをリサイクルしてこそ『真のリサイクル』であり、世の中のために価値があると、考えています。我々の1番の強みは何といっても特にこの有機性汚泥の「リサイクル」です。通常であれば、汚泥は燃焼後に埋め立てますが、私たちは汚泥を乾燥させて燃料などへリサイクルし製品として市場に返します。そうすることで循環型社会の構築に貢献するだけでなく、お客様の喜びにも繋がります。

技術は進み続ける

入職のきっかけは、アース・コーポレーションは成長期の会社で自分のやりたいことができるというところに魅力を感じたことです。また、規模は大きくなかったですが社長の積極的に大学との共同研究や設備導入に前向きなところに惹かれました。入社してからは新しいことにチャレンジすることが多く、自分でこうしていけたらいいなあという思いが実現できたときが嬉しく、やりがいを感じます。技術はどんどん研究し、進まなければいけません。社長はその考えが強く、色々なことに挑戦させてもらっています。

ペルーでの事業

有機汚泥を乾燥・造粒したもの

我々の業界は経済活動の加減速、人口の増減によって市場の規模が左右されます。北陸においては大手企業の工場撤退や拠点の統合、行政施設の統廃合などにより廃棄物の排出源が減ってきています。途上国ではこれから開発が進み、人口の増加も見込まれます。それと同時に廃棄物も当然発生するので市場規模は十分あり、我々の技術が必要になると考えています。当社の対象国であるペルー国リマ市は人口の3分の1が集中し、企業、工場や下水処理施設も多く、顧客候補が一か所に集中していること、そして日系人の方々の頑張りにより、日本に対するイメージが良く、活動をスムーズに行えると感じたことから同国での事業に踏み切りました。
有機性汚泥の乾燥処理技術を活用したバイオマス燃料の製造に係る案件化調査(2014年~2015年)での課題はやはり廃棄物をリサイクルするための知見や技術がなく、リサイクルの法令が整備されていても、人々の意識は薄く、最終処分場へ持って行っている現状です。さらに埋立て処分費用が日本に比べると非常に安価で、減容化やリサイクルを行ってもコストメリットが小さいため、日本のように民間の廃棄物中間処理業者が成り立ちにくいことです。それを踏まえ、普及実証事業(2018年~2020年)に取り組んでいます。乾燥処理をする機械も導入され、少しずつ良い方向に進んでいます。ペルーで我々の事業モデルが定着することを目指し、頑張ろうと思います。

これからのアースコーポレーション

これから目指すものとして、事業後もペルーで展開を続けていきたいと思っています。ペルーで成功することでまわりの南米諸国にも広げていきたいです。国内では当社1社だけでは無く、富山の産業廃棄物処理業者がしっかりと廃棄物を処理・リサイクルすることで、製造業を始め一般の方が安心して生活できる環境や自然を守ることに貢献したいと考えています。経済活動や一般生活では必ずゴミが出ますし、その処理を我々が適切にすることで安心して生活することが出来れば、富山という地域が活性化し発展していくと考えています。お客さまのニーズに応え、求められる会社になりたいです。

取材を終えて

私たちが安心して快適に生活する上で廃棄物処理は必要不可欠なことであり、尚且つ環境への配慮を行うアース・コーポレーションさんを訪問して、もっと多くの方に伝えたい、そう強く感じました。そして私たちのように安心した暮らしを、素敵な環境を、もっと世界へ広げてほしいと感じました。

取材
JICA北陸インターン
吉﨑 杏樹