◆ABEイニシアティブ研修員インタビュー◆インターン生Diana J. Sambouさん(2020年11月帰国)

ABEイニシアティブ(※)研修員として福井市にある株式会社ボヌムエデュケーションでインターンシップに参加したDiana J. Sambou(ダイアナ ジェイ サンブ)さんにインタビューを行いました!

※ABEイニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth)…アフリカの産業人材育成と日本企業のアフリカビジネスを現地でサポートする水先案内人の育成を目的として、アフリカの若者を日本へ招聘し、①日本の大学・大学院での調査・研究、及び、②国内企業での実践型インターンシップの2つの機会を提供するプログラム。

●Dianaさんついて教えてください

【画像】 私は西アフリカのガンビア共和国(以下ガンビア)の首都バンジュール郊外に位置するKanifingの出身です。ガンビアでは、ガンビア大学農学生物科学部を卒業後、教員経験等を経て、現在はガンビア初等・中等教育省に所属しています。私には夫と2人の子どもがいます。来日中は、遠く離れたガンビアの家族と会えず寂しいときもありましたが、昨年8月にガンビアへ調査のために一時帰国した際に家族と再会することができました。このプログラムへの参加を理解してくれた家族にはとても感謝しています。

●ABEイニシアティブに参加した理由

 私の専門は農業で、所属する教育省で学校給食プログラムに関わっていることもあり、この分野の専門性を高めたいと考えていました。ABEイニシアティブの制度は、アフリカと日本の架け橋となる人材育成の素晴らしい機会であり、また日本の大学で知識・技術を安心して学べる環境が整っており、この機会をぜひ活用したいと思い応募しました。

●大学院での研究内容について

【画像】 私は、2018年9月から2年間、東京大学大学院修士課程 農学生命科学研究科 農学国際専攻に在籍するの大学院生でした。ここで皆さんに質問です。皆さんは、フォニョというイネ科の雑穀を知っていますか?フォニョはガンビアを始め、西アフリカの一部で栽培されており、玄米のようなつぶつぶした食感があります。私は、このフォニョがグルテンフリーで栄養価が高いことに着目し、ガンビアにおいてより広くフォニョを流通させるための研究を行っていました。

●インターンシップについて

【画像】 2020年9月から、福井市の株式会社ボヌムエデュケーションでに約1か月のインターンシップを行い滞在しました。こちらの企業では、幼保小中高の様々な教育現場でへの英語の授業を行うの業務の受託委託 や英語学童保育、英語教室の運営を行っています。インターンシップでは、ガンビアの学校設立事業のに向けたお手伝いを主に行いました。時には、学童保育のハロウィンパーティーに参加したりもしました。ガンビアには無いハロウィンの文化 が新鮮でした。今回のインターンで学んだことを活かし、将来はガンビアで企業を設立し、ガンビアの中学生・高校生に園芸や菜園についての方法を学んでもらい、食と農への関心を高められるようなプログラムを実施したいと考えています。

●日本での生活について

【画像】 大学院在学中は、東京都と神奈川県に住んでいました。東京では忙しそうなサラリーマンが多く、道を尋ねてもあまり教えてもらえませんでした。神奈川県にはアフリカ人の在住が者多く住んでいて、やコミュニティもできているがあるため、家族のような仲間たちと一緒にとても快適に過ごすことができました。一方、福井県ではアフリカ人はほとんど見かけないものの、私のことを気にかけてくださる方や親切な方が多いと感じました。県内の農家さんへも見学に行き、緑化技術や有機農業、コンポストの技術などに関して、親身かつ丁寧に教えてくれたのが印象に残っています。いつかまた福井を訪れたいです。
 また私は、日本の子どもたちと関わる機会が多かったのですが、礼儀正しい子どもたちが多いという印象を受けました。家庭でのしつけや学校教育が整っているからでしょうね。また子どもたちの多くは自己肯定感が高く、人の話を聴く姿勢が素晴らしいと思いました。
 日本の食べ物にもたくさん挑戦しました。初めて刺身を見たときは驚きましたが、実際に食べてみると想像以上に美味しくて、食文化の違いを体感しました。他にも寿司やてんぷらなども好きです。

●今後の展望

 帰国後は、所属先であるガンビア初等・中等教育省に戻り、学校給食プログラムの中で日本で学んだことを活かしていきに関わりたいです。このプログラムでは、校内の菜園で採れた野菜の利用や、農家から材料を購入するなどし、地域との連携を図ることを目的としています。また、ガンビアでは現在、特に若年層の農業への関心が低下しているため、地元の農産物にもっと関心を持ってもらえるよう働きかけていきたいです。