コロナ禍の今こそ!国際協力活動を行う団体向けに研修を行いました

2020年10月29日

草の根技術協力事業など、JICAと連携して国際協力活動を行っているNGO等の団体向けに、モニタリング・評価実地研修を開催しました。コロナ禍において草の根事業の実施団体は様々な制約がある中、途上国への支援を行っています。今回の研修を通じてこれまでの事業の振り返りを行うことにより、改めて今後の計画を見直す良い機会にしていただければという思いをこめて実施しました。

研修は10月15日(木)から17日(土)のなんと3日間、各団体が実際の活動で使用している事業概要計画表(PDM)を題材に、事業サイクルマネジメントの手法を用いながら、事業のモニタリング(軌道修正)・評価を行って、事業効果の向上を図りました。内容が盛り沢山のため、講師も受講生も頭をフル回転させて研修に集中していました。

実際にどんなことをするの?

【画像】モニタリング・評価実地研修では、講義とグループ演習を繰り返し行います。
まずは架空の事業を題材にして事業サイクルマネジメントの概論を学び、その後、様々な講義と演習を通じ、受講生がプロジェクトで実際に使用している事業概要計画表(PDM)をブラッシュアップしていきます。
演習では段ボール製のボードと付箋を使い、事業内容を整理して視覚化するため、会場は付箋の貼られたボードでいっぱいになりました。

具体的には?

【画像】研修で行ったことの一部をご紹介すると…
1日目は、事業の全体を表す事業概要計画表(PDM)を適切に作成するため、ターゲットとするグループが抱える問題を「原因—結果」の形で樹形図を用いて視覚的に表す「問題分析」、さらに問題分析を「手段—目的」の形に転換して樹形図を用いて表す「目的分析」を行い、改めてターゲットグループの抱える問題を整理しました。
さらに、各団体がこれまでに作成していたPDMとこの「問題分析」を見比べて、PDMに問題点が無いか考えました。

2日目は、PDMを見直しました。
PDMには、プロジェクト目標や成果の達成度を検証するため、指標を設定しています。
その指標の妥当性や入手手段等をみていきます。さらに、WBS(Work Break Down Structure)という、プロジェクト目標を達成するために必要な作業を階層組織化して表すものを作成し、それぞれの活動をいつ行うか、スケジュール計画も立てました。

3日目は、事業の評価について学びました。
草の根事業の評価項目というものを使って、プロジェクトを評価します。
評価項目を具体化し、評価の内容を可視化する「評価グリッド」を実際に作成します。
最後に、研修を通じて見つかったプロジェクトの課題を洗い出し、今後のアクションプランを作成しました。

\参加された団体さんの声/

【画像】・自分たちが実際に行っている事業を題材に演習をするため、イメージがわきやすい。
・現在実施している事業に対して、以前とは別の視点でとらえる良い機会になった。
・3日間は長くて疲れたが、参加して良かった。
・研修後に希望者に対して行われた個別フォローもとても役立った。

研修に興味がある、という方へ

JICA北陸センターでは、国際協力を行うNGO等の団体に向けて、様々な研修を行っています。こちらで紹介した、事業サイクルマネジメントについて学ぶ研修を今後も行う予定ですので、その際はJICA北陸のホームページやFacebookでお知らせします。今後もぜひ情報をチェックしてください。