SDGsの基礎を教えて!!世界とつながるあなたの未来を一緒に考えよう!

2022年1月6日

SDGsを一緒に考える

2021年12月16日(木)に富山県立高岡南高校の1年生157名を対象に、JICA北陸の野吾 奈穂子(やご なおこ)職員が、「世界とつながる!あなたのミライ」と題し、出前講座を実施しました。その講座の様子をご紹介します!(報告:JICA富山デスク 松山優子)

「SDGsを説明します!」ではなく、一緒に未来を考える

リモート講義の様子

SDGs(持続可能な開発目標)の基礎を教えてほしいという学校側の要請で実施が決まった今回の出前講座。要請の理由は、様々な外部講師に話を聞く機会がある生徒たちだが、どの講義でも触れられる「SDGs」について詳しく話を聞く機会がなく、これでは理解が深められないのではないかと先生方が考えたからです。
今回のようにSDGsをテーマにJICAの国際協力出前講座を活用したいとお声がけいただくことがあります。出前講座のテーマに関しても、今や多様性が求められます。JICA海外協力隊の体験談も人気ですが、「国際協力」「国際理解」「キャリア教育」「人権教育」「多文化共生」と並び、最近ではSDGsについて話をしてほしい、SDGsに絡めてほしいという依頼が多いのが現状です。今回は、そんな中での依頼でした。
野吾職員の講義では、初めに「SDGsとは?」という導入から入るのではなく、「自分自身の未来を描いてみること」、それがSDGsのヒントにつながる、こうして話がスタートしました。

「持続可能」の開発目標。持続可能という言葉がカギになる

各教室で世界のもの当てクイズ

コロナ対策もあり、生徒は各教室で画面越しに講義を聞き、講師は別教室から講義を行いました。
自己紹介を通し、なぜJICAに転職したのかが明らかになり、キャリアについても考える機会となりました。
そんな中、まずはJICAもつながる「世界」について考えようということで、各教室の担任の先生にも協力いただき、いろんな国の「モノ」を各教室で実際に見てもらい、どこの国のモノなのかをクイズにしました。ある教室では先生が自ら民族衣装を着て、世界を感じてもらいました。リモートでやるからこそ、こうしたコミュニケーションが大切になります。
そして宿題として事前に生徒のみなさんにお願いしていた「自分のミライの絵」について触れました。自分の10年以上先の未来を「こうだったらいいな」と自由に想像して、絵で描いてもらったのです。「自分自身で未来を描くことが、SDGsのヒントになる」、SDGsというのは世界から見つめてみることも大事だが、まずは自分自身を見つめることが大切だということを体験してもらいました。2030年までを目標に、国・人種・性別・宗教・立場は関係なく、誰一人として取り残さない、そうして出来上がったSDGsですが、忘れてはいけないことに「持続可能な」目標という点があります。どうすればこの世の中はもっと良くなるのだろう、そしてそれを「持続可能な」ものにするとはどういうことなのだろう。私たちの未来もまた今後も「続いていく」ものであり、決して2030年に終わるものではない「ずっと続いていくもの」、それを頭の片隅に置いて考えていくことが大切だという野吾職員の伝えたいSDGsの本質のようなものを感じました。

目標音読、そして音楽を通じてSDGsを身近なものにしよう!

SDGsソングを熱唱する野吾職員

SDGsの17の目標をみんなで音読した後、野吾職員が作詞作曲したSDGs推進応援ソング「もっと輝く未来のために~Go for SDGs!」を聴いてもらいました。もっと身近に感じてほしい、音楽を通してみんなで歌ってSDGsについて知ってもらい、発信してほしい、そんな願いが込められています。曲の終わりには、溢れんばかりの拍手が各教室から廊下へ響き渡り、それは野吾職員が講義をする別教室まで聞こえてきました。
音楽を通じてSDGsをより身近に感じてもらったところで、実際に野吾職員自身が身近で見つけた世界とのつながりについて話が展開しました。スーパーで見つけた輸入品の写真を見せながら、これはどこの産地の商品なのかといったクイズを出し、そしてコロナ禍でどんな問題が起こり、それに直面した人々の声はみな届いているのだろうか、そんな問いかけがありました。自分たちの生活・暮らしは、いろんな人々のつながりの中にあることを実感してもらい、最後にこう問いかけました。
「わたしたちにできることは何だろう?」
講師自身が考える「できること」は授業の中で紹介されましたが、今、この記事を読んだみなさん、あなたなら何をしますか?
ふと立ち止まり、考えてみることも大切だと私自身考えさせられる講座でした。

真剣に耳を傾ける生徒たち

*****参加者の高校生より、様々な感想をいただきました。一部ご紹介いたします!*****
・本講座を通して、SDGsの解決を目の前の目標にするより、私たちの未来や幸せになるために私たちにできることを考えることを学びました。「買い物は投票」を常に意識して行動していきたい。
・SDGsに関しては、大まかな17個の目標は世界中の人たちと達成していくべきことだけど、その大まかな目標を達成するための小さなたくさんのステップは、自分一人でもできることがあると思うので、今日の講演を機会に、SDGsについて考える時間を増やしたいです。
・SDGsというものは、何度も耳にするワードだったけど、17の目標の詳しい内容や設定を知らなかったので、勉強になりました。個人的に気になったのは「飢餓をゼロに」というものです。日本は世界の中でもトップレベルに食品ロスが多いと聞いたことがあります。食べ物は人間が生きるために必要不可欠なものなので、日本人は特に重要視する必要があると思いました。
・今日の講演を聞くまでは、「SDGs」という言葉は聞いたことはあったけど、自分にはあまり関係のないものだと思っていた。でも、自分にもできることがあると分かったので、積極的に取り組んでいけたらいいなと思った。