子どもを取り巻く課題を考え、学びあう!

2022年12月16日

子どもを取り巻く課題に取り組む6か国の行政官が児童福祉分野の研修に参加しました。虐待やいじめなど、時に胸を締め付けられるような痛ましい状況に直面する子どもたち 子どもの権利とは? 子どもたちが健やかに育つ社会とは?子どもたちのためにできることは?そんなことをみんなで考え、学びあうプログラムでした。

お互いから学び合う 

ワークショップでは活発に意見交換

子どもを取り巻く課題を劇にして伝える研修員

11月9日、6か国から8名の研修員が集まり研修が開始しました。バングラデシュ、ブータン、ガーナ、サモア、イエメン、マレーシア、様々な違いがある国々ですが、研修員同士、開始当初から打ち解け、笑いあい、助け合う様子が印象的なチームでした。
プログラムは、まず日本の子どもを取り巻く状況を知り、この分野の世界の動向や各国の現状を整理し共有することからスタートしました。日本の現状や政策については、研修員から様々な質問が出ました。文化や価値観の違いにより、日本人的な考え方をなかなか理解できない場面もありましたが、講義やワークショップを通じて、虐待をめぐる状況と課題を整理し、共有しました。
その中で行われた演劇を用いたワークショップは、当事者の意識を忘れずに課題解決に向けた展開を考えてほしいという思いもあり、企画されたものでした。即興でグループ内の配役や演技指導を行い、自国の課題を表現する研修員たちは、さながら俳優でした。

地域の取組から学ぶ 

越前市での視察

この研修のタイトルは、「子どもの保護—地域ベースの取組とそれを支える政策枠組み」と言います。虐待の発見から保護のプロセス、抑止策などについて、児童相談所をはじめとするさまざまな関係機関の役割や連携状況などについて、福井県での取り組みを例として理解を深めるプログラム構成で、視察や担当者との意見交換などを行い進めました。
訪問先の一つである福井県越前市は、福井県内他の市町に先駆けて市民自治活動や子どもの権利を強く意識した子ども施策を展開した自治体で、子ども条例制定の経緯や幅広い関係機関との連携の状況等について積極的に質問するなど高い関心を示していました。

子どもたちのために

発表会は視察先の関係者や講師、学生さんも参加して行われました

研修の成果や今後の活動計画について発表

プログラムを通して、研修員は子育てに関する政策、ひとり親家庭への支援、権利教育の方法、横断的な取り組みなど、様々な日本での取組から知識を深め、同時に他の研修員の国の子どもたちがおかれている状況や取組などからも学びを深めることができたというのがプログラムに対する研修員から評価でした。
研修員それぞれが、学んだことを踏まえて自国の課題解決に向けたアクションプランをまとめ、最終日に福井大学で学生や視察先の関係者や講師などに向け発表しました。
それぞれの国が抱える課題に対し、どのような取り組みが必要かを考え、行動計画を作る中、計画したことを推し進めるには関係者の調整と連携が不可欠という研修員の言葉は、このプログラムでの学びであり、これからの彼らの重要な役割の一つなのでしょう。