【研修員受入事業】新しい観光の形を考えよう－2年目を迎えたオンラインでの学びあい/ JICA Knowledge Co-Creation Program: New Style of Tourism

「観光開発政策」研修は、2022年度で2回目を迎えました。カンボジア、エジプト、ウズベキスタンの3ヵ国9名の中央省庁の行政官たちを迎え、11月1日～30日の日程で実施しました。今年度は、研修での学びを実践に繋げること、その実践を対外的に発信していくことに力を入れました。（JICA北陸 野吾奈穂子）
JICA Hokuriku welcomed 9 officers from 3 countries to the on-line Knowledge Co-Creation Program, “Tourism Development Policies” in November, 2022. They completed the course successfully learning through on-demand and live lectures and drafted the Action Plan as the outcome of the participation. 3 representatives made a progress report presentation at the open webinar on February 15, 2023 to share their learning and suggestion from their point of view. JICA also conducted an international symposium collaborated with Grand Egyptian Museum on December 14, 2022, as a part of KCCP.

「日本の現場を見に行けない」不利を克服するために

研修プログラムは、北陸先端科学技術大学院大学と一般財団法人地域振興研究所がタッグを組んで、効果的な動画作成や研修員が学びを深める学習課題を提供しました。昨年度に引き続き、参加者はオンラインでの水引製作体験にチャレンジしたり模擬授業を通じて理解を深めるセッションに参加し、研修の最後に自分の国・地域での課題を解決するための「アクションプラン（行動計画）」をまとめました。
アクションプランの発表会には研修員の上司にも参加してもらい、研修後もアクションプランの実現をサポートする雰囲気づくりを行いました。

国際シンポジウムで大エジプト博物館、恐竜博物館のコラボが実現！

今年度の研修が進行する一方で、昨年度、この研修に参加した大エジプト博物館キュレーターに登壇してもらう国際シンポジウムの準備も着々と進められていました。コロナ禍の影響で進んだ博物館資料のデジタル化やオンラインでの活用をテーマに、大エジプト博物館だけでなく文化庁や福井県立恐竜博物館、公立小松大学のご協力を得て国際シンポジウムが実現しました。
2022年12月14日水曜日の18:00～21:00と、平日の遅い時間帯かつ悪天候にも見舞われましたが、会場・オンライン合わせて約200名が参加。JICAの研修らしくウズベキスタンやタンザニア、コンゴ民主共和国など多様な国から接続があり、新たな博物館のあり方について理解を深める3時間となりました。

アクションプランの進捗報告会も好評！

今年度の研修参加者を代表してカンボジア、エジプト、ウズベキスタンの各1名が、アクションプランの進捗状況を発表してくれました。
カンボジアからは環境配慮型の観光を推進する観光省の職員、エジプトからはエジプト政府観光局で東・北欧市場開拓の担当者、そしてウズベキスタンからは文化遺産と観光開発に関する研究所の職員による発表が行われ、質疑応答ではたくさんの質問が寄せられました。
オンラインで63名が参加し、参加者アンケートの満足度は5点満点中4.38と高い結果となりました。

コロナ禍で移動がしづらい時期がありましたが、オンラインで観光地の魅力を発信したり「価値」を見直す取組みが進み、研修員たちも観光資源の活用について考え、アクションプランにまとめてくれました。深い学びを提供する研修を作り上げるために、講師を務めてくださった有識者の方々や、北陸先端科学技術大学院大学と一般財団法人地域振興研究所の皆様に、この場をお借りして御礼申し上げます。
2023年度はいよいよ研修員が来日します！北陸の観光政策に関わる皆様のお力をお借りしながら、JICA北陸も一丸となって研修を運営して参ります。