ザンビア及び南部アフリカ地域におけるラストワンマイル農村改善分野に係るPoC実施企業募集のお知らせ
掲載日:2026.07.24
イベント |
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概要
ザンビア農村部の物流や市場アクセス等の「ラストマイル課題」解決に向け、JICAは、開発課題解決と持続可能なビジネスモデルの構築の両立を目指す民間企業を募集します。
本PoC(Proof of Concept)は、JICAが実施する「アフリカ地域農村ラストマイル改善に係る企業共創(PSE)推進のための情報収集・確認調査(一般競争入札(総合評価落札方式))-ランプサム型) 」(以下、ラストマイル基礎調査)の一環として実施するものです。採択企業は、同調査を受注したコンサルタントとの契約の下でPoCを実施し、事業化に向けた仮説検証や実証活動を行います。
JICAは、ザンビアにおいて長年にわたり農業・農村開発分野における協力を通じて培った行政機関や農家とのネットワーク、現地知見等のリソースを提供し、民間企業による新たな事業創出・事業展開を後押ししています。
本PoCを通じて、農村部における物流、市場アクセス、農業技術・市場情報へのアクセス、金融サービスへのアクセス、農家との信頼関係構築等のラストマイル課題の解決に資する革新的な事業・ソリューションを募集します。
ザンビアの農村ラストマイル課題
- ザンビアでは全労働人口の約7割が農業に従事していますが、広大な国土に農家が分散しているため、農家に各種アクセスを提供する物流サービスの包摂性が低く、具体的な例として以下のような課題が見られます(数値は参考値)。
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農業資材(種、肥料など)の購入や収穫物の販売に伴う輸送費の負担が大きく、売上の約1割が輸送費で消えてしまう(物流面のラストマイル)。
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行政・民間による農業技術指導にかかるコストが大きく、農家の適切な技術・市場情報へのアクセスが困難となってしまう(知識・技術のラストマイル)。
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農家との接点を維持するのが困難なため、信頼関係の構築が難しく、効率的な物流・金融サービスの成立を妨げている(心理的ラストマイル:事例は「生産物集荷・オフテイカー(民間企業)」を参照)。
- この、「広大な土地に小規模農家が分散して営農している」ことに起因する、「農家が農業知識・技術、市場情報、金融サービス等へのアクセスが困難」であることを「ラストマイルの課題」とし、それを取り巻く関係者の状況を以下の通り整理します。
1. 農家
- ザンビアでは雨季が限られた季節に限定(11月-3月頃)されており、そのリスクの高い生産環境の不安定さは、近年の気候変動によって年々増しています。
- この環境で、農家がリスクの高い栽培方法にチャレンジしたり、灌漑設備や移動手段に投資を行ったりするのは現実的ではなく、結果として以下に示す行政の補助金に依存した慣行的なトウモロコシ栽培が一般的となっています。
2. 行政機関(農業省)
- ザンビア農業省はFISP(Farmer Input Support Program)の補助金、FRA(Food Reserve Agency)による買取りといった農業補助金政策を伝統的に継続しています。
- FISPはトウモロコシを中心とした農業資材(種子や肥料)の農家向け補助金プログラムであり、FRAは同じくトウモロコシを中心とした収穫物の政府機関による買取りプログラムです。
- これらの施策によって都市部の主食(トウモロコシ粉)価格は低く抑えられていますが、その実践のために農業省は配分予算の大部分を投入しており、灌漑整備や農業普及に回すリソースは限られています。
3. 生産物集荷・オフテイカー(民間企業)
- 民間の仲買人・オフテイカーにとってもラストマイルの課題は深刻で、農家への農業資材販売や収穫物の集荷はコストが高く、集約的に農家との接点を維持するのは容易ではありません。
- 農家に農業資材(インプット)と買取機会(アウトプット)の提供を組み合わせた契約栽培は、上記の課題を抱える農家に市場アクセスを提供する有効な手段ですが、ザンビアの農村部において主流である、トウモロコシ、コメ、大豆等は価格変動が大きく、一般的ではありません(タバコ等の一部作物を除く)。
- その結果、民間の仲買人・オフテイカーによる取引の多くは口頭ベースでの情報共有・合意に基づくものとなります。
- この状態では、買い手(企業)にとっては、せっかく農家の生産を支援したとしても、農家が高い買い取り価格を提示した別業者に収穫物を売ってしまうリスクがある以上、農家への投資モデル(肥料・種子を提供して収穫時に回収するなど)の構築には工夫が必要です。
- また農家にとっても、買取りを期待していた買い手が、既に別地域で必要数量を確保した等の理由で買取りをしてくれなければ、生産への投資(肥料・種子等)が無駄になってしまうリスクを抱えています。
- すなわち、物理的なラストマイル課題によって、農家との信頼関係の構築にも困難が生じている状況(心理的ラストマイル)です。
- 上記の状況を総括すると、気候的に高リスクの生産環境に加え、地理的に小規模農家が分散して営農しているゆえの輸送コストの高さ、農家との信頼委関係醸成の困難さといった構造的な課題が、生産性安定化に向けた投資(灌漑整備・道路整備・機械化等)のハードルを高くしています。
- JICAは長年にわたり、市場志向型農業の振興、生産性の向上、生産性の安定等を目的とした協力を継続しておりますが、上記ラストマイルの課題の解決には持続的なビジネスによる価値創出が不可欠と考えております。
- 他方で、民間企業が単独でリスクを負って投資や事業開発を行うことは現実的ではありません。
- そのため、JICAがもつ行政・農家との信頼関係を含む人的ネットワークといったリソースを民間企業と掛け合わせる新しいアプローチを模索し、今回の募集に至りました。
募集詳細
1. 募集する事業アイデア
- 上記ラストマイルの課題解決に資する事業・ソリューション。
(構造的な課題(環境要因・地理的要因等)によって知識・技術・情報・サービス等へのアクセスが困難な農家に対し、オルタナティブな機会アクセスを提供しうるソリューション)
- 事業・ソリューションの対象地域はザンビアとするが、合わせて周辺国(マラウイ、ジンバブエ、南アフリカ)への展開を検討・試行することも可能。
2. ラストマイルの課題解決の仮説
(以下は現時点でJICAが持っている課題解決のシナリオ仮説ですが、これにとらわれずに仮説・提案をしていただくことに支障ありません)
- 一般的な物流サービスが成立しえない人口密度・地理的条件の「ラストマイル地域」に十分な輸送インフラを物理的に整備することは、膨大な時間と資金を要することからも現実的ではない。
- 一方で、通信、インターネットの発展により情報インフラは格段に改善しており、情報インフラの改善を通じて輸送の効率化を図ることで、農家にとっての合理化効果を得ている事例が生まれている(一定エリアの農家に予め場所・時間・サービス内容を通知して収集し、ピポット的なデリバリーサービスを行う等)。
- しかしながら、これらのモデルは、定期的かつ約束通りに参集する農家が一定数存在することが前提となる。そのため、サービス内容自体に農家を「惹きつける」仕組みがないと持続しえない。
- デジタル技術による農家への研修、小規模な契約栽培、カーボンクレジット等による新規所得の機会提供など、農家を惹きつける事業者との「連帯」が構築できれば、農家が分散して営農していようと、心理的なラストマイル課題のハードルを下げ、事業者と農家とのWin-Winな接点を持続的に作ることができるのではないか。そして獲得または節約した所得を、環境的リスクを下げる技術・サービス(灌漑、機械、金融など)に投資することに繋がりうるのではないか。
3. 期間
※スケジュールはラストマイル基礎調査の実施状況にて変更する可能性がありますところ予めご了承ください。
募集期間:本日(ホームページ公開日)~2026年8月19日(水)23:59
選考期間:2026年8月20日(木)~2026年9月18日(金)
(書類選考を通過した企業とは、9月7-9日の期間で面談(2次選考)を予定)
PoC実施期間:2026年9月18日(金)~2027年2月26日(金)
(9月18日に採択企業への採択通知が行われ、その後JICAが契約するコンサルタント(ラストマイル基礎調査)と採択企業との間でPoC実施にかかる委託契約が締結される。採択通知後、PoC実施に向けた活動開始は妨げないが、契約の中で精算対象となるのは契約開始日以降の活動に限られる。なお、2月中旬頃までに精算手続きを完了頂く想定。)
4. 期待する成果
- 本PoCでは、事業化に向けた仮説検証、現地パートナー探索、顧客ニーズ把握、小規模な実証活動等を通じて、事業化可能性を検証することを期待しています。
- 2027年2月下旬に最終報告会の開催を予定しています。最終報告会に係る全体の調整はラストマイル基礎調査のコンサルタントが実施予定ですが、最終報告会への参加・発表が必要となります。
- また、併せて実証結果をまとめた最終報告書をラストマイル基礎調査のコンサルタントへ提出頂きます。
5. 採用企業に対するJICAの支援
- PoC実施期間中のJICAからの情報提供、リソースパーソンの紹介
- 申請金額の範囲内で、最大500万円の資金面の支援
(渡航費用、現地調査員の傭上費、現地再委託等に活用可能)
6. 応募要件
- 国内で登記済みの企業・団体。および左記の海外子会社(日本側出資比率10%以上)。
- ザンビア又はその周辺国での事業展開を視野に入れていること
- 2026年9月18日(金)~2027年2月26日(金)のPoCへの参加が可能であること
- 不採択の場合は、個別の説明を行っておりませんので、あらかじめご了承ください。
7. 応募方法
以下を含むプロポーザルを、PDFまたはWord形式にて合計10p以内で提出すること。
(1) 応募企業名
(2) 提案事業の概要
(3) 解決を目指す開発課題
(4) ビジネスモデルの詳細
・顧客ターゲット
・ソリューション(独自性含む)
・マネタイズ方法
・事業継続の収支見通し
・事業全体の経済便益
・事業化ロードマップ
・ビジネス化に向けた障壁
(5) 本PoCで達成したいこと、検証したいこと
・PoC目的
・検証仮説
・活動内容
・PoC実施スケジュール
・必要パートナー
・JICAへの期待
(6) 概算予算
メールの提出先は以下の通り。件名は【ラストワンマイルPoC応募】○○(企業名)とする。
宛先:JICAアフリカ部アフリカ第三課
メールアドレス:6rta3@jica.go.jp
8. 選考方法
応募書類及び面談(必要に応じて実施)に基づき、JICAが応募書類の審査及び採択判断を行い、ラストマイル基礎調査のコンサルタントは選定支援を行います。審査に当たっては、主に以下の観点を評価します。
(1)アプローチとしての革新性
課題解決のアプローチが明確で、従来の社会課題解決のアプローチと比較した革新性や優位性を有するかどうか。
(2)ビジネスとしての拡張性
提供価値と対象顧客、持続可能な収益モデルが明確であり、開発・実証・事業拡大までの工程、経済効果および投資計画が具体的に示されているか。
(3)開発インパクトの発現可能性
開発課題解決やODA案件への波及効果、初期ユースケース創出に向けたパートナー構成と連携体制の具体性を評価する。
(4)ハードルの有無
必要な許認可や法規制面のハードルは存在するか
(5)参画チームの体制・担当者の経験・能力
参画体制の適切性と、ザンビア等におけるビジネス展開にかかる経験、現地コンテキストの理解・課題分析の深度、主担当者の海外展開経験、ビジョン、リーダーシップ、対外調整力を有するか
(6)参画目的やゴールの妥当性
プログラムに対する期待やゴールが明らかで、支援意義が存在するか
9. 採択に関する留意事項
- 採択企業は2社を予定しています。
- 応募状況及び審査結果によっては採択企業数を変更する可能性があります。
- 審査結果に関する個別の問い合わせには応じられません。
- 審査にあたっては、公平性・透明性の確保に留意し、応募条件を総合的に評価します。
- ラストマイル基礎調査のコンサルタント、または利益相反となる企業はPoC企業として採択できません。
- JICAが契約するラストマイル基礎調査のコンサルタントと採択企業との間で委託契約の締結、経費の精算が行われますが、振込先は原則として国内口座とします。ただし、採択企業が海外子会社であり、国内口座を有していない等の事情がある場合、海外口座への振込と外貨ベースでの契約締結が認められます。その場合、為替レートはJICA が定める月毎の(固定)外貨交換レートとします。詳細は採択通知後にラストマイル基礎調査のコンサルタントと協議してください。
(提案の時点では円貨による概算予算を記載してください。)
業務実施契約、業務委託契約における外貨換算レート表 | JICAについて - JICA
10. 参考情報