田中理事長がドミニカ共和国とジャマイカを訪問

2024.08.08

田中明彦JICA理事長は、7月25日から8月1日にかけて、カリブ地域のドミニカ共和国とジャマイカを訪れました。JICA理事長として初の訪問となったドミニカ共和国では、移住開始から68年を迎えた現地日系社会を訪問および移住記念式典へ出席しました。また同国との外交90周年・日本ODA60周年の中、ルイス・アビナデル大統領らと会談しました。外交60周年を迎えたジャマイカではアンドリュー・ホルネス首相ら政府要人と会談を行い、J-J(日本-ジャマイカ)パートナーシップに基づく今後の協力に関する基本合意書に署名しました。

1. ドミニカ共和国

田中理事長は、7月28日にサントドミンゴで行われた移住記念式典に参加しました。同式典は1956年7月29日にドミニカ共和国への移住者第一陣がハイチ国境に近いダハボン移住地に入植した日にちなみ毎年行われています。
田中理事長は、JICAがドミニカ共和国への移住の歴史に対して責任を有する機関であることに触れつつ、両国の友好・親善の発展に大きく寄与した移住者・日系人の方々の功績を称え、移住した方々が築いてこられた歴史に改めて尊敬の意を表しました。また両国の架け橋として日系社会が今後果たしていく役割に大きな期待と、JICAとして次世代の人材育成への協力の重要性を示し、日系社会との信頼の芽を育て、日系社会と一緒に未来を共創していきたいと述べました。

ダハボン移住地視察

ダハボン移住地視察

移住記念碑への献花

移住記念碑への献花

これに先立ち、田中理事長は、ダハボンを訪問し、かつての移住者の住居や現在の公民館等を視察し、同地の日系家族らと交流しました。また、サントドミンゴでは、同国の次世代を担う日系人子弟や若手リーダーの方々と交流し、日系社会次世代育成研修にて日本を訪問した中学生からの報告や、2026年に迎える移住70周年と将来の交流のあり方について意見交換を行いました。

次世代イベント

次世代イベント

また、今年6月に再選を果たしたルイス・アビナデル大統領ら政府高官と会談を行いました。日本は2024年にドミニカ共和国との外交樹立90周年、そして対ドミニカ共和国ODA開始から60周年を迎えるにあたり、民主主義を掲げ良好な関係を有する両国の間で、今後も持続可能な社会経済開発を推進していくことを確認しました。大統領は、開発が進み高所得国になっていく過程において、模範となる日本から様々な開発の経験を学びたいと述べました。また、日系社会の社会経済への多大な貢献について、賛辞と感謝の意が述べられました。

ルイス・アビナデル大統領との会談

ルイス・アビナデル大統領との会談

2.ジャマイカ

続いてジャマイカを訪問した田中理事長は、アンドリュー・ホルネス首相と会談しました。同首相は7月にカリブ海を襲ったハリケーン・ベリルの被害に対し、日本が供与し先般完成した無償資金協力「緊急通信体制改善計画」がハリケーン災害時の通信体制確保に、また今回供与した緊急支援物資が被害後の早期被害軽減に大きく貢献したことについて謝意を述べました。
外交関係樹立60周年を迎える中、ジャマイカ政府の意向を踏まえた防災能力の向上、地域警察の強化を通じた治安改善、経済振興等に繋がる取り組みを進めるべく、「J-J(日本-ジャマイカ)パートナーシップ」の強化について協議し、協力覚書(MoC)に署名を行いました。

ホルネス首相との会談

ホルネス首相との会談

「J-J(日本-ジャマイカ)パートナーシップ」に関する覚書

「J-J(日本-ジャマイカ)パートナーシップ」に関する覚書

最後に、UCC上島珈琲株式会社の現地法人が保有するコーヒー農園「クレイトン・エステート」を視察しました。
JICAは1980年代に、「ブルーマウンテンコーヒー開発事業」や開発投融資「ブルーマウンテン新栽培地開発試験事業」を通じてジャマイカのブルーマウンテン地区におけるコーヒー産業の発展を支援してきました。今回の視察にて、自然災害やコーヒーさび病・害虫の影響による収量の減少、また重労働であるため若者に敬遠され、将来の担い手が不足するなど、コーヒー産業の現状・課題が共有されました。

コーヒー農園視察

コーヒー農園視察

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