ガラパゴス国立公園65周年記念式典開催:地域住民向けの環境教育施設を改修し引渡し
2024.07.16
7月4日、エクアドル共和国(以下「エクアドル」)ガラパゴス諸島サンタ・クルス島において、ガラパゴス国立公園設立65周年の記念式典が開催され、JICAが改修を支援した地域住民向け環境教育施設が引き渡されました。
ガラパゴス諸島は、世界的に有名な生物多様性の宝庫です。しかし、その貴重な生態系が持つ重要性や脆弱性についての知識は、地域住民に十分に知られていません。そのため、ガラパゴス諸島の将来を背負う若者を含めた地域住民が環境教育を受け、地域の自然環境や生態系に関する理解を深めることは、ガラパゴス諸島における持続的な環境保護の観点から非常に重要です。
サンタ・クルス島の有名な観光地トルトゥーガ・ベイに向かう道にある地域住民向け環境教育施設
左からJICAエクアドル事務所の高旗所員、ガラパゴス国立公園のIzurieta代表、エクアドル環境省のFritschi大臣
JICAとエクアドル政府(ガラパゴス国立公園)は、2004年から2009年にかけて技術協力プロジェクト「ガラパゴス諸島海洋環境保全計画プロジェクト」を実施し、その中で地域住民への環境教育を行うためのコミュニティセンターを建設しました。長年にわたり地域住民に頻繁に利用されてきましたが、老朽化に加え、ガラパゴスの高温・高湿な気候やエルニーニョの影響により施設の損傷が進んだため、2023年度よりJICAのフォローアップ協力として同施設の改修工事を行い、今回の式典において引き渡されたものです。
式典には、エクアドル環境大臣、ガラパゴス国立公園代表の他、チャールズダーウィン財団代表、国際機関や海外大学機関等、これまで環境保護を目的としてガラパゴス国立公園と協働してきた多くの関係者が出席しました。式典では、環境大臣が演説し、JICAの協力に対する感謝とともに、これまで行われてきた数々の取り組みは、ガラパゴス諸島特有の貴重な生物多様性の保護のみならず、その持続性にも大きく貢献していると述べました。
日本は「環境保全・防災」をエクアドルに対する協力の重点分野の1つとしており、JICAでは、本事業のほか「持続可能な自然資源管理による生物多様性保全と地域振興-SATOYAMAイニシアティブの推進(国別研修)」や「沿岸地域における生態系保全能力強化プロジェクト(技術協力プロジェクト)」等の協力も並行して行っており、今後も当国の環境保全分野への協力を推進していきます。
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