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- JICAの仕事 プロジェクトはこうして動く mundi 2019年10月号
- プロジェクトはこうして動く
JICAの仕事は、開発途上国の"国創り"のお手伝い。その目的のため、途上国あるいは日本国内でたくさんのプロジェクト(案件)が動いている。
多くのスタッフがさまざまな部署に所属し、役割を果たしている。
特集 JICAの仕事
毎号、弊誌のアンケートには「JICAの人たちは途上国で何をしているの?」「もっと仕事の内容を教えてほしい」といった声が届く。そこで今号では、JICAのスタッフがどんな役割を果たすことで、プロジェクト(案件)が計画、実施され、貧困の削減や環境の保全等、相手国の課題の改善につながっているのかを見てみたい。プロジェクトがPDCAのサイクルで進む中でJICAの仕事を追う。
JICAのスタッフは、異なる役割を持つさまざまな部署に所属している。東京にある本部に加えて96か所の海外拠点と15か所の国内拠点が、それぞれが位置する国・地域での関係者の窓口となっている。また、プロジェクトの実施は、協力の対象である相手国側の関係者やJICAのみならず、日本側でも専門家やコンサルタント、民間企業、地方自治体、大学・研究機関、NGO・NPO等、多くの人、組織によって成り立っている。
JICAは日本の政府開発援助(ODA)の中核を担う機関として、約140の開発途上国・地域に対する協力を行っている。おもな協力のメニューには、途上国の人々が自国の課題に自ら対処できるように能力の向上をうながす「技術協力」、緩やかな条件で比較的大きな開発資金を貸し付けて発展をうながす「有償資金協力」、途上国の中でも所得の少ない国を中心に、資金を贈与して国の基盤づくりをうながす「無償資金協力」などがある。これらの協力メニューの中で、それぞれの途上国が抱えるさまざまな課題や状況に応じたプロジェクトが計画、実施され、JICAは国内外の関係者とともにその推進に力を尽くしている。
協力メニューと実績(2018年度)
無償資金協力
新規 151件(外交政策の遂行上の必要から外務省が自ら実施するものを除く)
有償資金協力
新規承諾 38件
技術協力
実施中 518件(技術協力プロジェクトの件数)
JICAは上記の三つの協力メニュー以外に、次のような専門の担当部署を有する事業を行っている。民間連携事業(民間連携事業部)、ボランティア事業(青年海外協力隊事務局)、移住者・日系人支援連携事業(中南米部、青年海外協力隊事務局)、市民参加協力事業(国内事業部)、国際緊急援助(国際緊急援助隊事務局)、研究(JICA研究所)。
プロジェクト実施のサイクル
三つの協力メニュー(技術協力、有償資金協力、無償資金協力)におけるプロジェクトの多くは、P(プラン=事前段階)、D(ドゥ=実施段階)、C(チェック=事後段階)、A(アクション=フィードバック)の四つに分かれたPDCAサイクルに沿って進められている。おもに海外拠点や地域部、課題部が前面に立って相手国とともにプロジェクトを進める一方で、プロジェクトが円滑に進み、最大の効果を発揮するようサポートする部署がある。
P(プラン=事前段階)
相手国側からの要請内容を精査し、JICAからも提案し、プロジェクトの内容を決定する。案件の採択は日本政府が行う。
・関連リンク
D(ドゥ=実施段階)
技術協力では、専門家派遣や研修員の受け入れなどを行い、相手国側とともにその能力強化を行う。有償・無償の資金協力では、相手国側が行う調達や資金支出の管理・支援を行うとともに、プロジェクトが円滑に進捗し、効果が発揮されるよう支援する。
・関連リンク
C(チェック=事後段階)
事業の終了後に事後評価などによって成果を確認するとともに、改善点や将来への教訓などを抽出する。
・関連リンク
A(アクション=フィードバック)
すでに終了したプロジェクトでの効果拡大のための改善を行い、類似の事業の計画・実施への反映などを検討する。
・関連リンク
途上国との対話・接衝
新しいプロジェクトに向けてP(事前段階)では、おもに海外拠点、地域部、課題部の三つの部署が関わる。
海外拠点
地域部(国や地域を担当する部の総称)
- 東南アジア・大洋州部
- 東・中央アジア部
- 南アジア部
- 中南米部
- アフリカ部
- 中東・欧州部
課題部(特定の課題を分野ごとに担当する部の総称)
- 社会基盤・平和構築部
- 人間開発部
- 地球環境部
- 農村開発部
- 産業開発・公共政策部
主管部署
そのプロジェクトが解決しようとする課題や分野を担当する課題部、プロジェクトが実施される国を担当する地域部、あるいは海外拠点のいずれか一つが、主管部署としてプロジェクトを主導的に管理・推進する。主管部署はプロジェクトが終了するまで中心的な役割を果たす。
縁の下の力持ち
下記はプロジェクトが円滑に進み、最大の効果を発揮するようサポートをする部署。人材や資機材の調達・契約手続き、必要事項のチェックなど、それぞれ専門的な見地から一部の手続を分担したり、主管部署に対して助言したりする。
課題の解決に向けて各部署がサポート
- 総務部
- 安全管理部
- 管理部
- 国内事業部
- 資金協力業務部
- インフラ技術業務部
- 審査部
- 調達部
- 評価部
- 国際協力人材部
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