「JICAチェア」ヨルダン国王女が後援、ヨルダン大学と日本研究短期集中講座を開催

掲載日:2020.12.02

イベント |

概要

会議名:JICAチェア-ヨルダン大学日本研究短期集中講座
開催日:2020年11月18日(第1回)、11月25日(第2回)、12月2日(第3回)
主催:JICA、ヨルダン大学共催
場所:オンライン(Microsoft Teams)

主な参加者

第1回

ラーイヤ・ビント・アル・フセイン ヨルダン国王女
リナ・アンナーブ 在京ヨルダン大使
アンドレア・プレッセーロ 政策研究大学院大学准教授
北岡伸一 JICA理事長

第2回

ジャファール・ハッサン社会政策研究所総裁(元ヨルダン副首相)
伊丹敬之 国際大学学長、他

第3回

嶋﨑郁 在ヨルダン日本国大使
シファ・ハッダード氏(前在京ヨルダン大使夫人、元国費留学生)
萱島信子 JICA理事、他

背景・目的

JICAは、開発途上国の各分野で将来のリーダーとなる人材を育成すべく、本邦の大学と連携し、2018年から「JICA開発大学院連携プログラム」を実施しています。この一環として、開発途上国各国のトップクラスの大学などを対象に、日本の開発経験を学ぶ機会を国外にも広げることを目的とした「日本研究」の講座設立支援を行うプログラム「JICAチェア」を実施しています。

今般ヨルダン大学にて、ラーイヤ王女の後援を受け、日本研究の短期集中講座を開催しました。

なお、本講座は、2018年11月に北岡理事長がヨルダンのアブドッラー2世国王陛下と謁見した際に、理事長からビデオ教材「日本の近代化を知る7章」を紹介、国王から「ヨルダンでぜひ上映を」とのご意見を受け、開催に至ったものです。

内容

今回の短期集中講座は、ヨルダン大学アジア言語学部などの大学関係者(学部生、大学院生、教員など)やJICA研修員同窓会会員を対象とし、ビデオ教材「日本の近代化を知る7章」を活用したオンラインセミナー形式にて、実施しました。

第1回は「第1章 明治維新:日本近代化の原点」、第2回は「第4章 経済成長と日本的経営」、第3回は「第5章 日本の近代化と教育」をテーマとし、各テーマに造詣の深いパネリストが登場しました。各回でビデオ教材を視聴した後に、パネリストがヨルダンの歴史、文化、経済・社会情勢などを踏まえて内容を解説し、その後参加者との質疑応答のセッションを設けました。

第1回では、ラーイヤ王女より、ご自身のJICA本部との協働経験を含む日本での体験のご紹介とともに、日本の近代化の過程において、海外からの影響を組み込みつつ、独自の価値観と文化を維持してきた点は、ヨルダンも参考にできるのでは、とのメッセージを頂きました。
第2回では、高失業率を社会問題として抱えるヨルダンにとって、人材育成を重視した日本式企業経営の手法や官民連携の在り方から学ぶべき点などについて討議が行われました。
第3回では、スポーツや美術を通じた非認知教育が、日本では就学前の幼稚園などから始まっており、ヨルダンでも導入を進めるべきといった意見が出ました。

本セミナー参加者からは、「日本型マネジメントや従業員のモティベーション、政府の役割に係るセミナーを、ヨルダン企業などを対象に行いたい」、「日本の教育制度をより詳細に学びたい」といった声も聞かれました。

JICAは、日本の開発経験を学ぶ「JICAチェア」を推進し、開発途上国の人材育成に貢献します。

資料

【画像】

第1回スピーカー:
上段左から、北岡JICA理事長、ラーイヤ王女、宮原JICAヨルダン事務所長
下段左から、プレッセーロ政策研究大学院大学准教授、アルクダーヨルダン大学学長、アンナーブ在京ヨルダン大使

【画像】

第2回スピーカー:
伊丹国際大学学長(左)
ジャファール・ハッサン社会政策研究所総裁(右)

【画像】

第3回スピーカー:
萱島JICA理事(左)
シファ・ハッダード氏(右上)
嶋﨑在ヨルダン日本国大使(右下)