2021年度第3回イラン内務省MRMO-JICA廃棄物資源循環ウェビナーを実施しました。

掲載日:2022.03.09

イベント |

概要

セミナー名

イラン廃棄物管理セミナー
第1回「乾燥地帯と湿潤地帯の埋立地における廃棄物管理」(2021年4月8日に実施済み)
第2回「有機性廃棄物の管理」(2021年9月8日に実施済み)
第3回1日目「地方都市にでの廃棄物資源循環リサイクル-大木町の事例から」(2022年3月8日に実施)
第3回2日目「廃棄物管理・資源循環事業における官民連携手法-日本の経験」(2022年3月9日に実施)

主催

独立行政法人国際協力機構(JICA)、内務省イラン都市地方管理機構

場所

オンライン

講師

一般社団法人循環のまちづくり研究所代表理事 中村 修 博士
株式会社エックス都市研究所 環境エンジニアリング事業本部長・常務取締役 中石 一弘氏
JICA国際協力専門員 吉田 充夫 専門員

イラン側参加者

内務省-都市地方管理機構 局長 ハビブ・ラジ氏
地方廃棄物管理機構責任者等 約200名(のべ人数)

内容

イランの主要都市の廃棄物管理は、収集運搬やリサイクルの選別、焼却や破砕、脱水等を行う中間処理の積極導入も始まっており、生分解性有機ごみによるコンポスト製造も普及してきていて、概ね各都市の廃棄物管理計画に基づき実施されています。しかし、最終処分場が実質オープンダンプとなっている都市も多く存在し、イラン国内務省は、JICAイラン事務所に対し、多様な気候下での埋立処分場の在り方、焼却発電やコンポストの取り組みなど、廃棄物管理に関わる課題解決につながるウェビナーを要請し、2021年度イラン事務所は3回にわたるウェビナーを実施しました。

第一回目は2021年4月28日に実施され、多様な自然環境下の埋⽴処分場の改善、廃棄物からのエネルギー回収について北海道大学の東條准教授、京都大学の高岡教授から発表されました。

第二回目は、日本の固体廃棄物のコンポスト化利用や、新しいコンポスト化への取組み、製造法、バイオマス利活用事業のシステム分析やバイオガス化プロセス等について、東京工業大学の中崎教授、北海道大学の石井教授から発表されました。

最終回である第3回めは2日間にわたり開催され、全国の廃棄物管理担当者が200名以上参加しました。

1日目は、一般社団法人循環のまちづくり研究所代表理事 中村 修 先生が、地方都市における環境に配慮した廃棄物管理・資源循環促進と題し、福岡県大木町の事例をもとに講義されました。イランで問題となっている人口の少ない都市での廃棄物管理を焦点とした講義となり、大木町がゼロウエイスト宣言をしてからどのように資源循環に取り組んできたかを紹介されました。イランの内務省関係者からは、ゼロウエイストまでの道のりを詳しく知りたいとセミナーの最後まで質問が絶えませんでした。

2日目は、株式会社エックス都市研究所常務取締役 中石 一弘 先生が廃棄物管理・資源循環事業における官民連携手法-日本の経験-と題して講義されました。講義の内容は、日本の廃棄物管理上の法制度と官民連携や、ごみ処理施設整備運営事業におけるDBO事業スキーム、資源循環促進のための民間委託の事例を多数紹介されながらの講義となりました。イランの内務省関係者からは、これからイランの廃棄物管理分野で民間連携事業を立ち上げていく上で非常に役立つ講義であったとの感想が多数寄せられました。

これからもJICAはイランの廃棄物管理に積極的に協力していきます。

【画像】

ウェビナーの様子