<イベント報告・大分>国際理解サロン1 -おおいたdeつながる多文化- ガーナ編 を開催しました

2021年7月27日

ガーナの暮らし・人々について学ぶ

熱心に聞き入る参加者

ガーナの学校環境の紹介

 7月11日(日)、「国際理解サロン1 -おおいたdeつながる多文化- ガーナ編」を開催しました!

 前日まで雨天予報だったため、天気が心配されましたが、当日はなんと朝から青空が広がり、幸先の良い一日のスタートとなりました。

 プログラムは午後2時から4時までの2時間、おおいた国際交流プラザの交流スペースにて実施しました。当日は事前申込をいただいていた19名の方々がご参加くださり、会場は賑わいました。

 講師は杵築市出身の姫野美子さんをお迎えしました。姫野さんは大学卒業後、IT関連の民間企業で17年間勤務された後、青年海外協力隊員として2010年9月から2012年9月までの2年間、ガーナへPCインストラクターの職種で派遣されていました。帰国後は短大のICT講師、大学院での修士号取得などを経て、現在は地元への貢献として高齢者向けパソコン教室の講師などを務める傍ら、ガーナ支援を長年続けておられます。

 プログラム前半では、ガーナでの協力隊体験談と帰国後の活動についてお話いただきました。ガーナは公用語が英語で、現地語は25種類以上あるという特異な環境の中でも、部族ごとの伝統文化をそれぞれ平等に尊重しようという、多様性を重んじる風潮が大切にされているそうです。また、日常生活のエピソードでは、主要な公共交通機関として「トロトロ」と呼ばれるバスがあり、始発を含む全ての便は満席になってから出発するということで、姫野さんはバス停に朝6時に行った際、バスが出発したのが昼の12時で、移動にかかった6時間と待ち時間が同じだったこともあったそうです。

 姫野さんが派遣されていた2010年当時、ガーナ政府は特に教育に力を入れており、「教育の質を向上させる」一環として、姫野さんは教員養成の短大にてPCに関する通常授業の実施に加え、PCが無くても学べるように学生たちと一緒に段ボールを活用してキーボードを作り、授業に活かしたそうです。「無いなら無いなりに工夫」という言葉が印象的でした。

 帰国後は現在まで8年余り、現地の信頼できる知人を通じて、日本で余っている文具や衣類、サッカーボールなどのスポーツ用品等を届けているそうです。また、学費(年間約1,700円/人)の足しになるように、(1)3校30人ほどに奨学金の提供を行ったり、(2)現地知人への手作りキーホルダーの製作指導をして、現地マーケットでの販売による現金収入の確保を支援したりするなどの活動を続けているそうです。ガーナには年1回渡航していたそうですが、コロナの影響で昨年より一時中断しているとのことでした。

ガーナと生中継

Jacob氏と質疑応答の様子

 プログラム後半では、オンライン(Zoom)で実際にガーナと繋ぎ、姫野さんの協力隊時代の教え子であるガーナ人のジェイコブ(Jacob)さんと生中継しました。ジェイコブさんは現在、4年制大学の卒業資格取得を目指しながら美術科目を専攻されているそうです。中継は日本時間の午後3時から始まりましたが、現地ガーナ時間は朝6時ということで、時差9時間の中、ジェイコブさんは毎朝4時半に起きているので問題ないと寛大に応じてくださいました。

 参加者からは沢山の質問が寄せられました。「2010年当時と2021年現在とで、何が大きく変わったと思いますか?」という質問に対しては、Jacobさんより「コロナの影響で、今まで密だったコミュニケーションがなくなった。また、How are you? の挨拶の後、これまでは相手の家族全員の健康を確認するのが当たり前だったが、それが簡素化され、I’m fine. (That’s all.) みたいな感じに変わった。」という回答がありました。その他、「どんな食べ物が好きですか?魚はどんな種類ですか?」、「自分が楽しい、幸せだと感じるのはどんな時ですか?」、「日本に対するイメージはどんな感じですか?」などの質問がありました。逆にJacobさんからは、「日本人はどうやったらそんなに自分たちを規律正しく行動させることができるのですか?例えば、時間を守るとか、ごみを道に捨てないとか」、「コロナは日本の教育にどのような影響を与えましたか?」という質問が参加者に投げ掛けられました。

 以下、事後アンケートから一部をご紹介します。

参加しようと思った理由:
 「ガーナという国に対して知識が全くなく、学ぶ機会も滅多にないので今回のイベントはとても身になると感じたから。」
 「ガーナの状況を実際に行った人から直接話を聞きたいと思ったから。」
 「海外の文化に興味があったので。」

感想:
 「ガーナで北と南でかなり生活レベルに差があることを初めて知りました。学校の環境も差があり、日本ではあまり考えられないと思いました。日本は恵まれているなぁと思いました。」
 「興味深いお話を分かりやすく説明していただき、ありがとうございました。大変充実した時間でした。」
 「ガーナの方とZoomで意見交換できた事は楽しかった。」

 ご参加くださった皆様、誠にありがとうございました!ガーナへの理解が深まる時間となったようでとても嬉しく思います。

(JICAデスク大分 担当:井本)