JICA九州高校生国際協力実体験プログラム2022を開催しました!

2022年8月31日

7月27日(水)から28日(木)、JICA九州高校生国際協力実体験プログラム2022を開催しました。2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大の影響によりオンライン開催だったため、JICA九州での対面開催は実に3年ぶりとなりました。
このプログラムは、高校生の皆様が様々な国の状況や国際協力の現状に気づき、理解を深めることを目的とし、他県・他校の参加生徒やJICA海外協力隊経験者と考えや想いを共有しながら、参加者自身が国際協力にどう向き合うことができるか考える、高校生のための国際協力入門講座です。今回は九州各県からの参加校の生徒25名、教員7名が参加し、大変充実した2日間となりました。
(本プログラムは上記2日間でしたが、6、7月で各県推進員が各県の参加校に出向き、事前学習を行いました。)

【1日目 学校紹介~アイスブレイク】

学校紹介

アイスブレイク

1日目は午前10時にスタート。開会式の後、「学校紹介」では、学校ごとに一生懸命準備してきた模造紙の学校新聞を用い、各校1分という限られた時間で精一杯学校の魅力を紹介しました。

続く「アイスブレイク」では、SDGsパズルでのグループ分け、ネームトスとインプロを行いました。目には見えないボールを次の人にパスをしながら自己紹介をするネームトスは、ただのボールだけではなく、魚やゴリラ、東京タワーなど様々なものをボールに見立てて投げることで、身体も動かしながら参加者同士の名前を楽しく覚えました。インプロはいわゆる「即興劇」で、出されたお題について1人1文ずつ「あいうえお」に沿って作文して繋げていくもの。最後は参加者全員で「JICA海外協力隊」というお題に挑戦し、みなさん想像力を膨らませながらテンポよく答えていて、非常に盛り上がりました。

【1日目 国際理解ワークショップ】

国際理解ワークショップ

「国際理解ワークショップ」では、JICA地球ひろば制作のSDGsラップ紹介を皮切りに、SDGs達成に取り組む企業などの事例を学んだ後、SDGsを人に「伝える」手段として漫才づくりを行いました。その名も「S-1グランプリ」と称し、2人1組で真剣に漫才を考え発表を行いました。どのチームも内容や構成が素晴らしく、甲乙つけがたいものでした。

【1日目 青年海外協力隊活動計画づくり】

青年海外協力隊活動計画づくり

そしていよいよ本題の「青年海外協力隊活動計画作り」。はじめに、元JICA海外協力隊セネガル隊員の石川洸さんがご自身の協力隊体験談を語ってくださり、コミュニティ開発隊員がどのような流れで現地の課題を把握し、それを解決できるよう取り組んでいくのかを学びました。それを受けて、架空の村をテーマに、高校生たちが青年海外協力隊に扮して活動計画作りに取り掛かりました。村の現状や背景から、そこにある課題を洗い出し、時には現地のJICA事務所企画調査員役のJICA九州職員にも相談しながら、それぞれどのような課題解決に取り組んでいくのか真剣に考えていました。

【1日目 国際交流パーティー】

国際交流パーティーで研修員へ出身国の文化について聞いている様子

参加してくれた研修員との集合写真

1日目の最後は世界の料理を味わう夕食と国際交流パーティー。北九州の大学で学んでいる研修員8名(アゼルバイジャン、インドネシア、エチオピア2名、ソロモン、タイ、フィリピン、ルワンダ)を交え、研修員の出身国にちなんだ料理を黙食で堪能。アイスブレイクを行った後は、各グループ1人の研修員と共に自己紹介や各国の文化などについて聞き、最後に食べ物事情について聞き取り、まとめを行いました。どのグル-プも積極的に英語でのコミュニケーションにトライしており、最後のまとめもどれも興味深いものばかりでした。研修員にとっても高校生と交流する貴重な機会となり、大変有意義なひと時となったようです。

【2日目 活動計画づくり~活動発表~振り返り】

青年海外協力隊活動計画発表

集合写真

2日目のプログラムでは、まずアラビア語のラジオ体操で身体をほぐした後、1日目の「計画づくり」の続きを開始。必要に応じてJICA九州図書室の本も活用しながら少しずつ計画案を完成させていきました。お昼を挟んで午後、いよいよ「活動計画の発表」。どのグループも村の状況をしっかりと考察して計画を立てていて、大変素晴らしい活動計画発表でした。
投票で見事1位に輝いたグループは「One for all, All for one誰もが先生。誰もが生徒。」というテーマで課題を洗い出し、教育の観点から村の将来を考える解決策を出されていました。1位と2位のグループには副賞として、研修員からのお土産が贈られました。

最後に各グループで振り返りを行った後、学校ごとに分かれ、事前学習で取り組んだ国際協力についてのウェビングに、今回の2日間のプログラムで得たことを追記し、振り返りを行いました。グループでの振り返りでは、この2日間での学びを改めて共有し合い、有意義な意見交換ができたことに感謝の気持ちを伝え合いました。学校毎での振り返りでは、今回の学びを自分たちの学校でどう活かしていこうか、具体的な振り返りもできていたようです。

【参加した高校生からのコメントのご紹介】

実施後のアンケートから一部ご紹介します。
・普段はなかなか関わることが出来ない他県の高校生とたくさん意見交換出来たことがすごく良い機会で楽しかった
・今回作った活動計画を学校でも発表し、JICAで学んだ発展途上国の良さや国際協力の大切さを自分の言葉で伝えたい
・今回学んだことや自分の身近なところから考えたり、調べたりしたことを伝えて、国際協力に興味をもってくれる人を増やしたい
・文房具を回収し送る活動など、自分たちにできることからはじめてみたい
・この2日間は自分を変える大きなきっかけになった
・最高の夏の思い出になりました!
・いつか協力隊として国際協力に携わりたい

【引率していただいた先生方からのコメントのご紹介】

・国際理解を深める雰囲気づくりを大事にされており,特に留学生と交流する際には,どの生徒も英語をツールとして互いを理解し合う経験ができていたと思う
・プロジェクトベース型の学びを多く取り入れており,生徒も主体的に参加できていた
・外国人と接触する機会が極端に少なくなっているご時世で、非常にレベルの高い交流になったと思う
・学校単位ではなく混成チームによる計画作成・発表で、他校生と交流したり刺激し合えたのがとてもよかった
・他者と協力して一つのことに取り組むことの難しさを乗り越え、新しい視点やアイディアを共有できたのではないか
・JICA職員のみなさん、他校の先生や生徒さん方と一緒に国際協力の重要性を再認識し、どのような形でアプローチできるのか、疑似体験させていただいたことなど、すべてが貴重な学びでした
・「持続可能な社会を作る力といつかなる」ように学校でできることを生徒と共に考え、次の学年につなげていきたい
・今回の経験を現在取り組んでいる課題研究に生かしていきたい
・今回のようなプログラムをもっと増やしていただきたい
といったコメントをいただきました。

高校生たちの目線で国際協力について考え、共有することで、国際協力のみならず、洞察力や課題解決について考える力、相手を思いやる気持ちなどなど、たくさんの学びに繋がったことがいただいたアンケートからも伺えました。また、対面開催により、他校生徒やJICA研修員との交流、対話を通じて得られたものの大きさを感じました。自分たちにできることは何か、それぞれに感じたことやその気持ちを大切にし、今後に活かしていただければ幸いです。

ご参加いただいた皆様、ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました!

今回、活動計画発表で見事1位に輝いたチームのインタビューは、JICAデスク佐賀が毎月第1水曜日に放送しているラジオ番組「Jump to the world!」にて8月3日(水)にオンエアされました。(※関連リンクを参照)

<2022年度の参加校>
福岡:福岡県立鞍手高校
佐賀:佐賀県立唐津東高校
長崎:長崎県立佐世保商業高校
大分:大分県私立大分高校
熊本:熊本県立翔陽高校
宮崎:宮崎県立延岡高校
鹿児島:鹿児島県私立大口明光学園高校

The program for learning International Cooperation was held in JICA Kyushu.
Seven high schools of Kyushu region, 25 students and 7 teachers have joined.
Also JICA participants from the Azerbaijan, Ethiopia, Indonesia, Philippines, Rwanda, Solomon Islands, Thailand and Viet Nam have kindly cooperated on the program.
We would like to express our gratitude to all the people who have been involved with the program.
Thank you very much for your cooperation!