JICA環境KIDSエキスパート事業

こどもが持つ創造力、発信力、共感力を伸ばし、それを国際協力の世界に活用していくことが出来るのではないか。JICA環境KIDSエキスパート事業はそんな想いからスタートしました。日本の子どもたちが環境問題改善に関するアイデアや取り組みを考え、彼らが専門家のように実際に開発途上国での環境課題解決や生活改善に取り組む可能性を検証するプロジェクトです。

2023年度の取り組み

初開催となった今年度(2023年9月~)は、JICA 横浜教師海外研修 OB/OG 会「Asante!」との連携のもと、事業を実施しました。神奈川県内から小中高生 15 名以上が集まり、①ドミニカ共和国でのサルガッサム問題やごみ問題について学ぶ3回のワークショップ②アイディアコンテストの開催③駐日ドミニカ共和国大使やJICA 研修員へのアイデア実践・プレゼンテーションを実施しました。

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2024年1月5に開催したコンテストでは、これまでのワークショップを通して自分たちで考えた問題解決につながるアイデアを発表しました。審査員は、AnBee株式会社代表取締役であり俳優の和泉崇司氏、横浜市立飯田北いちょう小学校通訳・外国語指導員ファン・ティ・タン・ジム氏、JICAドミニカ共和国所長坂口幸太が務めました。

審査員も驚くような子ども達の柔軟で斬新な提案の中から、創造性、実現性、内心力、プレゼンテーションの観点で秀逸なアイデアを出した下記の4名が優秀賞を受賞しました。

同時に2024年1月にはドミニカ共和国においても同じテーマのワークショップ及びアイデア検討会が行われ、日本とドミニカ共和国双方でプログラムが並行して進行する形を創り出すことが出来ました。

2024年度は対象地域や実施規模を広げ、子どもたちによる環境イノベーションに向けた活動を更にスケールアップした形で実施する予定です。

2023年度アイデアコンテスト受賞者

府川佳太さん(小5):
サルガッサムをアート作品に加工し、収益をサルガッサム回収費用に充てる

大杉侑羽さん(中1):
廃棄物問題を身近に考えられるイベントや廃棄物埋立地見学ツアーの企画

村上貴亮さん(中2):
産業廃棄物処理改善に向けて企業と協働でデジタル技術も活用したごみのポイント制度

渡邊太樹さん(中2):
サルガッサムを肥料やバイオマス燃料にして第二次産業の活性化やエネルギー問題解決につなげる

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全国紙、地方紙、ネットニュースなど20以上のメディアで紹介

Degital PR Platform/北海道新聞/毎日新聞/財経新聞/紀伊民報/Mapion/AFP通信(AFPBB News)/沖縄タイムス/Cnet/新潟日報/河北新報/Infoseek/BIGLOBE/朝日新聞デジタル/読売新聞オンライン/excite/@nifty/ZDnet/とれまがニュース

外部審査員紹介

和泉崇司氏(AnBee 株式会社 代表取締役 CEO
健康科学 理学修士(MS) 米国陸軍での経験や予防医学救急知識を基に防災×エンタメ×教育を主軸とした事業を展開。 「防災をオシャレに!」を合言葉に、新しい防災のカタチを構築中
子どもの未来を守るべく、学校法人の理事も務めている。 AIPプロジェクトのアーティストメンバー。

ファン・ティ・タン・ジム氏(横浜市立飯田北いちょう小学校通訳・外国語指導員)
来日して20年。東証一部上場企業の大工場で働いている、外国人労働者への管理・通訳を行っている。また、難民事業本部・特定非営利活動法人 MIC かながわ・横浜市国際交流協会・大和市国際化協会と協力し、外国人の方々への支援も行うなど、関係諸機関から高い評価を受けている。外国語補助指導員として、日本の将来を担う外国にルーツがある子どもたちを積極的に支援している。

※サルガッサム問題
サルガッサムという海藻の異常発生/漂着により、カリブ海沿いの国で観光や漁業に影響が出ている問題。河川からの栄養豊富な水の流出や、温暖化に伴う海水温の上昇が原因ではと言われているが、正確なことは分かっていない。
ホンダワラ科の海藻で、ヒジキの仲間とされ、気泡を有しており、浮いたまま繁殖する。魚やウミガメ、カニやエビが産卵したり、棲み処にしたりする。