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(日)セラード農業環境保全研究計画
(英)The Project for Sustainable Agricultural Development and Natural Resources Conservation in Cerrados
(葡)Projeto de Desenvolvimento Agrícola Sustentável e Conservação de Recursos Naturais no Cerrado
- スキーム:技術協力プロジェクト
- 実施機関:セラード農牧研究所(CPAC)
- 伯側協力期間:マラニョン州農牧研究所(EMAPA)、トカンチンス州立大学(UNITINS)
- 日本側協力機関:農林水産省
- 対象地域:ブラジリア連邦区
- 実施期間:1994年8月~1999年7月(5年間)
背景
ブラジルの国土面積の約25%(約2億ha)を占めるセラード地域は、1億7,000万haが農業適性を持つとされ、同国の農業開発政策上重要な位置づけである。セラード地域の農業開発は1970年に開始され、1975年のセラード農牧研究所の設立によって、生産拡大に向けた試験研究が本格化した。1980年代には、米、大豆等の穀類を中心として栽培面積の拡大、生産量の飛躍的な増加が図られた。その一方、急速な農業開発に伴う環境への負荷についての配慮が十分でなかったため、動植物の生態系や土壌環境への悪影響、連作による下層土の圧密化・硬化や新たな病害の発生等の問題が顕在化してきた。このような状況のもと、ブラジル政府は、セラード地域において天然資源の管理と保全に重点を置いた持続的な農業開発をめざし、我が国にプロジェクト方式技術協力を要請した。
実績
上位目標
セラード地域の再生可能天然資源を調和的、永続的な形で合理的に利用しつつ、基礎的食糧の供給及び輸出可能産品の生産性を高める。
プロジェクト目標
環境に対するインパクトを最小限に食い止め、天然資源を保全する総合的農牧業開発のためのセラード生態系の合理的利用技術を確立する。
期待される成果
- 1 . 不適切な管理により悪化した集約的農業地域の環境の改善および生産回復システムの確立
- 2 . 永年性森林種を優先し、環境へのインパクトを最小限に食い止める生産システムの確立
- 3 . 環境悪化防止技術を伴う生産システムの確立
- 4 . 移動式農業を回避し、生産性を高める先進的技術システムの確立
- 5 . 関係機関の日本での研修による研究レベルの向上
- 6 . プロジェクトの実施に要する機材供与による研究施設及び機能の充実
活動
1.セラード地域における農業環境資源の評価
1-1.植生と土地利用分布の把握
1-2.土壌浸食の実態の把握
1-3.水資源および水質の実態評価
2.土壌劣化の原因究明と対策技術の開発
2-1.土壌生産力阻害要因の解明と対策技術の改善
2-2.土壌の化学的、生物的劣化の解明と土壌養水分供給能の改良
3.病害虫防除対策の改善
3-1.連作などに起因する病害虫の発生生態の解明
3-2.土壌伝染性病害の制御技術の改良(および耕種的防除技術の開発)
3-3.生物的防除および発生予察の導入による虫害総合防除技術の改善
4.持続的作物生産システムの開発
4-1.強酸性、低リン酸土壌、旱魃などセラード環境に適応した作物の選抜と導入
4-2.輪作、緑肥作物などの導入による作付体系の開発
関連するプロジェクト
- (技)農業研究協力計画 フェーズ1(生産技術開発)1977~1985
- (技)農業研究協力計画 フェーズ2(生産性向上)1987~1992
- (技)セラード環境モニタリング調査 1992~2000
- (技)セラード農業開発協力事業(PRODECER)1979~2001
- (有)セラード灌漑事業 1985~1992
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