コスタリカ大学におけるJICA事業50周年記念事業の実施
2025.01.06
2025.01.06
今年(2024年)10月16日(火)にコスタリカ大学主催による「JICA協力50周年記念式典」が開催されました。
これは、1974年にコスタリカ大学に対して電子顕微鏡の供与と技術指導を含んだ医療協力が行われた時から50年目にあたることを記念してのものでした。
コスタリカ大学への協力は、1981年まで続いた電子顕微鏡に関連した医療協力に加え、1977年に開始された同大学へのボランティア派遣(コスタリカへのボランティア派遣は1974年に開始)や研修事業、近年では日本の開発過程を研究するJICAチェア事業やSDGsグローバルリーダー事業による博士課程への留学などの協力が続いています。
セミナーの中ではこれまでにJICAと協力を実施してきたコスタリカ大学の各機関が発表をし、また、現在横浜国立大学の博士課程に留学中のMaría Barboza 先生や、1976年から1980年まで電子顕微鏡の専門家として派遣されていた今年卒寿を迎える小塚芳道元専門家もビデオメッセージを寄せてくれるなど、まさに50周年の歴史をたどるものとなりました。
小塚先生のメッセージの実現にはご自身が学生時代に大変お世話になったというコスタリカ大学Gustavo Gutierrez 学長の発案により実現したものです。
その他の発表を見ていてもこれまでのカウンターパートが日本人専門家やボランティアのことを良く覚えていることがうかがえ、JICAのビジョンである「信頼で世界をつなぐ」ための基礎となる「人とひとのつながり」や「コスタリカ人と日本人の間の信頼」が、JICAの協力を通してコスタリカと日本の間で構築されていることが確認されました。それによって、コスタリカ大学やコスタリカへの協力プログラムが大変有意義な結果を出している事も再確認できました。
協力100周年に向けた次の50年は、日本からコスタリカ大学への協力ではなく、信頼関係を築いた日本とコスタリカ大学が手を取り、中南米地域、さらには世界の平和と発展に貢献していく協力を展開していくことが、JICAコスタリカ支所の課題となるのでしょう。
コスタリカ大学への協力に関連した主なデータ(2024年10月現在)
協力開始年:1974年
ボランティア派遣開始:佐藤裕子隊員/S52年度 2次隊/日本語教師
ボランティア実績: 123名、36職種
研修事業参加人数:75名
JICAチェア事業開始年:2022年
SDGsグローバルリーダー実績:2名
小塚芳道専門家(1976年派遣)
左から、吉田所長、ギテーレス学長、有吉大使、理香大使夫人
伝統舞踊
現在活動中の日本語教育隊員2名
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