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中米のコスタリカ共和国は約5万㎢の面積(九州と四国の合計に相当)に約515万人(福岡県の人口相当)が暮らす国です。国土の1/4を国立公園や自然保護区が占め、地球の全生物種の6.5%、特に蝶類は10%が生息するなど、単位面積当たりの動植物種が最も多い「生物多様性世界一の国」としてご存じの方もいらっしゃると思います。

また、国内の電力源がほぼ100%再生可能エネルギーで供給されており、カーボンニュートラルを目標とする地球温暖化対応に積極的な取り組みをする環境先進国とも言われています。
 加えて、軍隊を保有しない教育福祉国家を国是とする憲法を制定(1949年)した平和国家です。この国を表す代表的なスローガンが「環境保全」と「平和」の二つといえます。

コスタリカにおけるJICAの協力は、1974年(昭和49年)に開始され、2024年で50周年を迎えました。同年6月から電子顕微鏡技術の協力のため国立総合大学のコスタリカ大学に日本人専門家を派遣し研究者・技師等の人材育成に貢献しました。その研究技術は、まず医学・医療分野から始まり、さらに国内外の化学、農業、鉱工業など様々な研究分野に広がり、半世紀経った現在でも活用されています。

その後これまでのJICAの50年に亘る協力、特に近年では、気候変動対策、生物多様性保全、防災、再生可能エネルギー、廃棄物処理等を含む広義の環境保全分野や、障害者自立生活支援、中小零細企業支援等の国内格差是正分野での組織能力強化や人材育成等の協力を続けてきています。

また、青年海外協力隊員派遣も同じ1974年10月から始まり、これまでに800名近い海外協力隊員が環境教育や日本語教育、スポーツなど幅広い分野での人材育成を中心に協力してきています。

 JICAがコスタリカに派遣する日本人の専門家やボランティアとともに働いたコスタリカ人たちの中には日本での研修の機会を得た人もおり、その数は2500人を超えます。彼らはそれぞれの分野でリーダーとなり、日本と日本人を身近に感じながら、学んだことを活かして各分野で貢献されて、また発信されています。

さらに、JICAは長期低利の有償資金協力を通じて過去約半世紀に亘り、地熱発電、水力発電、上下水道整備、港湾建設等にも貢献してきています。

コスタリカはすでに高中所得国の仲間入りを果たし、これまでの日本との協力で培った技術や考え方を継続、進化させています。現在はJICAによる協力実績のあるいくつかの分野で、コスタリカにおいて中南米・カリブ地域の近隣諸国の人材の研修等をJICAと共に協力して実施しており、今や国際協力における日本の良きパートナーでもあります。

今後もコスタリカの国内の格差是正や包摂的な社会の実現への協力、また、地球規模の課題に立ち向かう我が国のパートナーとして、そして、なによりも、一人ひとりの日本人と一人ひとりのコスタリカ人との信頼関係を深めることができるようJICAコスタリカは貢献したいと願っております。

2024年5月
JICAコスタリカ
吉田 憲