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フィリピン初の長距離山岳トンネルが貫通!                            本邦技術を活用して、地域の渋滞・物流改善やフィリピンへの技術移転を目指します。

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SDGs
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2025.05.01

フィリピンのミンダナオ島の第一の都市であるダバオ市では、円借款を活用して建設中の「ダバオ市バイパス建設事業」で、フィリピンで最長となる2.3kmのトンネルが貫通し、4月28日に貫通式典が開催されました。日本側からは、中野洋昌国土交通大臣、遠藤和也フィリピン日本国特命全権大使、馬場隆JICAフィリピン事務所長、また比側からは公共事業道路省(DPWH)のボノアン大臣(Secretary Manuel M. Bonoan)、サダイン上級次官(Senior Undersecretary Emil K. Sadain)などが参加し、フィリピン初の長距離山岳トンネルの貫通を祝しました。

この事業は、ダバオ市の交通渋滞や物流を改善するため、トンネルを含む全長約30kmのバイパスを建設するものです。バイパスが完成すると、ダバオ市南部のシラワンから北部のササ港への移動時間が、約90分から約50分に短縮されます。

貫通したトンネルは、フィリピンで初めての本格的な長距離山岳トンネルであることから、このトンネル建設のために設計段階から様々な本邦技術が適用されました。例えば、トンネル構造物や非常用設備などに日本の設計基準を活用したり、トンネルの掘削・建設工事では、地盤の安定性を確保しながらトンネルを建設する工法など、安全面や技術面で優れた日本の技術を活用したりしています。

トンネルを含むバイパスの運営・維持管理については、十分な経験や実績を有する民間企業に委託予定です。円借款の支援の下で、委託先を選定する支援や、実施機関DPWHによる運営・維持管理段階の監督能力を向上させるため、トンネル内で事故や火災が起きた時の対応など、安全面を含む日本のトンネル運営・維持管理方法を伝える日本での研修も実施しています。

式典に参加したボノアン大臣は、「(トンネル開通は)土木工学の勝利以上のもの。マルコス大統領の『Build Better More(※1)』を実現するための大胆な一歩であり、より連結性、強靭性、包括性をもった『Bagong Pilipinas(※2)』の基礎を築くものだ。」と述べました。

円借款の支援で整備される約30kmの区間に加えて、更に北側の約15kmの区間は比政府の自己資金で整備が進んでいます。バイパス全体の完工は2027年以降を見込んでおり、開通に向け、JICAは引き続き建設工事やフィリピン側への技術移転・能力強化を支援します。


※1 マルコス政権が掲げるインフラプログラム。
※2 マルコス政権が掲げる包括的経済・社会変革を目指すスローガン。


関連するリンクはこちら:
フィリピン向け円借款貸付契約の調印:フィリピンの気候変動対策・SDGs達成への協力を通じ、日比両国の関係深化に貢献 | ニュース・広報 - JICA
ダバオ市バイパス建設事業(南・中央区間) | ODA見える化サイト
ダバオ市バイパス建設事業(第二期) | ODA見える化サイト

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