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~ボール一つ、誰もが楽しめるサッカーで平和構築を~TICAD CUP 2024(女子サッカートーナメント戦)を開催しました!

#5 ジェンダー平等を実現しよう
SDGs
#16 平和と公正をすべての人に
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2025.01.07

2024年9月5日から7日、JICAウガンダ事務所は今年で3回目となるTICAD CUP (女子サッカートーナメント戦)を、ウガンダ首相府難民局、ウガンダサッカー連盟(FUFA)、ウガンダサッカープレミアリーグ所属のソルティーロ・ブライトスターズ(ソルティーロ)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の協力の下開催しました。このイベントは、2023年に開催された第2回グローバル難民フォーラムで日本政府が宣言(プレッジ)した「10,000人の難民及びホストコミュニティにスポーツの機会を提供する」に貢献するものとして開催されました。

(開会式にて全選手とゲストの集合写真)

スポーツを平和的共存のきっかけに

今年は難民居住区の難民と難民を受け入れているホストコミュニティの混成チーム3チーム(ルワマンジャ・クイーンズ、アゴジョ・スター・ガールズ、パギリニャ・ヤングレディース)、FUFAが招待した3チーム(タギー・ハイスクール、ジンジャ・シティ・クイーンズ、キング・オブ・キングズ)の計6チームが大会に参加しました。難民とホストコミュニティの混成チームは、これまでJICAが各難民居住区で実施したサッカーイベントを通じて結成されました。それらのイベントでは、チームの証として、公益社団法人日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)から寄附いただいたユニフォームが配られ、今回のイベントでも各チームはそれを着て試合に臨みました。

(WEリーグちふれASエルフェン埼玉より寄贈されたユニフォームを着用して試合に臨む難民・ホストコミュニティ混成チームの選手)

ウガンダはアフリカの中でも最多の170万人以上の難民を受け入れており、本イベントは、スポーツを通じた難民とホストコミュニティの平和的共存の促進を目的に実施されました。首相府難民局の局長であるパトリック・オケロ氏は開会式で、「スポーツは選手たちの自立性を育み、関係を築き、難民支援に大きな役割をもつ」とスポーツが秘めるパワーを強調しました。大会前日にはソルティーロ主導で選手間の交流を促進する練習プログラムが実施され、また、選手たちはFUFAの施設内で寝食を共にすることによって交流を深めました。

(在ウガンダ日本国大使館 佐々山大使による開会式でのスピーチ)

日本文化の紹介

開会式では隊員によるソーラン節が披露され、選手と一緒に踊って大いに盛り上がった他、大会期間中はJICA海外協力隊員による日本文化紹介ブースが設けられ、選手は浴衣や法被の試着をしたり習字で自分の名前を書くなど、日本文化に触れる機会を楽しみました。踊ることが大好きな選手たちは様々な場面で隊員から学んだソーラン節を踊り、チームや難民・ホストコミュニティといった枠を超えた交流のきっかけにもなりました。

(開会式にてソーラン節を披露するJICA海外協力隊)

(ゆかたを試着する選手たち)

(習字を体験する選手)

全ての人が輝く機会を

このイベントは、女子・女性の活躍・エンパワーメントの促進も目的としています。ウガンダは、若年妊娠や結婚による女性の学校退学率が高く、女性がスポーツをすることに否定的な意見を持つ文化もみられることから、女性が学校に通い続けること、そして性別にとらわれずにスポーツを楽しむことの重要性が強調されました。また、UNHCRの協力の下、ジェンダーに基づく暴力の防止や生理教育に関するワークショップが開催され、参加者が理解を深める機会になりました。

スポーツが与える希望の力

今年の夏に開催されたパリでのオリンピック・パラリンピックにガイドランナーを含め計45人が難民選手団として参加しました。難民選手団の参加は、2016年のリオ、2021年の東京に続き3回目で、今回、初めてメダルを獲得した選手も出ました。近年の国際情勢の変化もあり、紛争や迫害などを理由に故郷を追われた人の数は1億2千万人を超えているといわれており、10年前と比べて2倍以上に増えています。日本の人口とほぼ同じ数の難民・避難民にとって、難民選手団の活躍は希望の光となりました。

2023年12月には、ジュネーブで開かれた第2回グローバル難民フォーラムで、ウガンダらとともに共同議長国を務めた日本政府は、「10,000人の難民及びホストコミュニティにスポーツの機会を提供する」ことを宣言(プレッジ)しています。衣・食・住などの最低限の生活だけでなく、スポーツのように、人間らしく生きるための権利を満たすための機会を提供することも重要な協力です。

(WEリーグアルビレックス新潟レディースより寄贈されたユニフォームを着用した選手に参加賞のボールを手渡すUNHCR職員)

大会はジンジャ・シティ・クイーンズの優勝で幕を閉じましたが、参加した全選手がTICAD CUPを通じて得た経験や友情を糧にそれぞれの未来に繋げていくのではないでしょうか。過去のTICAD CUPに参加した難民選手の中には大会での活躍が注目され、その後奨学金を得てウガンダ国内の学校へ進学した人が複数います。彼女たちの中からオリンピアンが出る未来も、そう遠くはないかもしれません。JICAウガンダ事務所は引き続き「スポーツ×平和構築×女子/女性のエンパワーメント」の視点から、全ての人が平等に輝く未来に向け支援に取り組んでいきます。

(試合の様子)

【過去のTICAD CUP情報はこちら】
~サッカーが開く未来への扉~TICAD CUP2023(女子サッカートーナメント戦)を開催しました! | 海外での取り組み - JICA
「女子サッカー×平和構築」-サッカーが秘める可能性-TICAD CUP 2022(女子サッカートーナメント戦)開催| ウガンダ | アフリカ | 各国における取り組み - JICA

【その他、難民に関する情報はこちら】
数字で見る難民情勢(2023年) – UNHCR Japan
スポーツと難民 – UNHCR Japan
難民問題の今日的課題 第2回グローバル難民フォーラムに参加して | ニュース・広報 - JICA
「グローバル難民フォーラム」の宣言(Pledge)とは? – UNHCR Japan

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