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ウクライナの人道的地雷除去大使 ジェリー・ヘイル氏 来日報告:日本で分かち合った希望と連帯

#5 ジェンダー平等を実現しよう
SDGs
#16 平和と公正をすべての人に
SDGs
#17 パートナーシップで目標を達成しよう
SDGs

2025.11.26

招へいミッション終了時の記念撮影(右から五番目がへイル氏)

招へい終了時の記念撮影(右から五番目がへイル氏)

2025年10月、ウクライナの人道的地雷除去大使を務めるウクライナの人気歌手、ジェリー・ヘイル氏が来日しました。東京で開催された国際会議「ウクライナ地雷対策会議2025(UMAC 2025)」への参加をはじめ、様々な啓発活動を展開し、地雷除去活動への国際的な関心を高めること、ウクライナの復興には安全な土地の回復が不可欠であること、そして地雷対策分野における女性のエンパワーメントの重要性を、日本及び国際社会に力強く発信されました。

国際会議でのメッセージと歌声

10月22日のUMAC 2025レセプションでは、ウクライナの地雷除去をテーマにした新曲「Dradada」を披露。著名なアーティストの歌声は、深刻な課題に立ち向かう人々の思いを伝え、世界中からの多くの参加者の胸に響きました。

未来を担う世代との交流

UMAC2025に先立ち、10月21日には板橋区立加賀小学校の約70名の生徒に対して平和授業を行い、ウクライナの現状と復興への決意を語りかけました。文化交流として小学生たちと一緒に新曲の一部を歌い、へイル氏は子どもたちに「ウクライナについて知り、たくさんの友達に伝え、広げてほしい」と温かいエールを贈りました。

板橋区立加賀小学校での特別授業の様子

板橋区立加賀小学校での特別授業の様子

特別授業後に子供たちと笑顔で触れ合うへイル氏

特別授業後に子供たちと笑顔で触れ合うへイル氏

また10月24日は、上智大学の国際教育開発学ゼミに参加し、学生たちと率直で踏み込んだ議論を交わしました。地雷除去の重要性、女性が参画する意義、困難に立ち向かう音楽の力、復興という共通のゴール、そして若者が社会で果たすべき役割について、活発な意見交換が行われました。

上智大学の国際教育開発学ゼミで学生と議論

上智大学の国際教育開発学ゼミで学生と議論

ウクライナ人コミュニティと被災地との連帯

10月24日には、三鷹にあるウクライナカフェ「クラヤヌィ」を訪れ、在日ウクライナ・コミュニティの方々と交流を深めました。ウクライナ料理を囲み、伝統的な歌を共に歌うことで、コミュニティが持つ力強いレジリエンス(立ち直る力)と、故郷への強い思いを分かち合いました。

在日ウクライナ人コミュニティと伝統的な歌を歌い、思いを分かち合う

在日ウクライナ人コミュニティと伝統的な歌を歌い、思いを分かち合う

その後、10月26日には、福島県浪江町の請戸(うけど)小学校を訪問し、2011年の東日本大震災の記憶を伝える場所に立たれました。被災を語り継ぎ、乗り越えようとする地元コミュニティの物語に触れたへイル氏は、日本の人々がなぜウクライナの状況に心を寄せるのかを深く理解できたと述べ、復興という共通のテーマに共に立ち向かう連帯の思いを共有しました。

福島県浪江町の請戸小学校訪問時の様子

福島県浪江町の請戸小学校訪問時の様子

語り部からの説明を受けるへイル氏

語り部からの説明を受けるへイル氏

まとめ

今回の招へい活動を通じて、ウクライナの復興への道のりは、技術や資金面での協力だけでなく、国境を越えた人々の連帯と、経験や物語の共有によって支えられていることが、改めて確認されました。JICAは、ウクライナの人々が安全と安心を取り戻せるよう、地雷除去という喫緊の課題を含む、多角的な支援と協力を今後も推進してまいります。

関連リンク
ウクライナの現状と東京で開催される地雷対策会議の意義|ニュース・広報 - JICA
JICAのウクライナ|海外での取り組み - JICA
ウクライナ人気歌手 都内小学校で “平和授業”(TBS NEWS DIG)
ウクライナの人気歌手ジェリー・ヘイル氏が教育学科の学生と交流(上智大学)
Jerry Heil - Earth (Dradada) [Official Music Video]

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